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「え、なになに気になるんだけど〜例えば?」
藤ヶ谷の言葉に見上げてじっと合わせられた視線。始まるまでは始終無言で話しかけても端的に終わってたはずなのに。いや、今考えることではない、視線を外しアイドルの○○に戻る。
「グループを引っ張って行ってくれるとことか・・・・小さいとことか?」
「うんうん、、って!おい!!二つしかねえの?てか小さいって褒め言葉じゃないんですけど!!」
「ハハハハ、まあそういう感じですね。」
「ん、じゃあ藤ヶ谷の好きなとこいいます?んー・・・」
横を見るとスタッフさんが時間がないと言う。俺よりも先に藤ヶ谷が気付いていたのか
「あ、時間ない?じゃあ後は俺らだけの秘密って事でね、北山さん、それでいいですか?リスナーの皆さんは妄想しておいてください。」
藤ヶ谷が切り出した言葉は、数年前に気持ちを抑えた俺を期待させた。
収録が終わり、お疲れ様でしたという声が飛び交う。
「お疲れ。」と小さく声かけてみたが、俺を気にすることなく身支度をし、スタッフさん達に頭を下げて帰っていく藤ヶ谷。少し期待した自分が馬鹿みたいで、あんなこと言って謝ってもないのに普通に接してもらえるはずもなくて。はあ、とため息をつき携帯を開くと大倉からメッセージが。
【今日ラジオやっけ?近く通りかかったから地下で待ってるわ】
俺が家言っていい?って聞いたばかりに気を遣わせて迎えに来てくれたんだ。そんな優しさ溢れる大倉のメッセージに心が高鳴る。
「お疲れ様でしたー!」
スタッフさんに挨拶をして地下に向かえば、「こっちやー」と車から手を振る大倉がいた。
「今日藤ヶ谷くんとやったんか?北山が降りてくる前に藤ヶ谷くん降りてきたから、挨拶したらめっちゃ嫌な顔されたわ」
なんて笑う大倉。
「藤ヶ谷くんはわかりやすいな」
なんて付け足すものだから意味がわからず首を傾げていると、お前はまだわからんでいいわ!なんて頭を撫でられた。
+++
「ただいまー」
「おい、お前の家ちゃうで!」
大倉の家に着けばソファにダイブした。やれやれと呆れ気味の大倉が迎えに来る前に用意してくれてたであろうご飯が次々と並べられていく。
「んまそー!!やべえ!お前一人で作ったの?」
「他に誰が作るねん!」
「やっぱ大倉は優しいな。」
「俺の隣がええやろ?」
「そうだな」
振り回される気持ちに疲れた俺はすっかり大倉に向いていた。
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作者名:妖狐 | 作成日時:2019年10月19日 0時