Adulte amour（アデュルト アムール）

episode 29 ページ30

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ブランク期間に入り
大学やバイトに時間を費やすることが出来るようになった。



クラブでもバイトだった立場から
正式に働いて欲しいという内定も貰っている。

大学を卒業したら
昼の仕事をしながら夜はクラブというのも
なかなか悪くない。



お給料だって良くなるし、
生活はずっと楽になる。




お金に余裕が出来れば服だって買える。
新作のコスメも、旅行だって行ける。









いつかそれが現実になる事を夢見て
日々平穏な生活を送っていた。









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そんな時悠里が言った
“ また始めないか ”の一言。







正直最近忙しくてそれどころではないし、
忘れていたのに思い出させないでくれ、とも思った。




私も手伝うからさ！とノリノリな彼女に対して
私はそんな気にもなれず
いつかね、と濁したままだった。









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だから電車で永瀬廉に出会った時は相当驚いた。
とても綺麗な顔をしていたから。

顕嵐も整っていたけど
あの顕嵐よりもさらに磨きが掛かっている。








所詮顔だけじゃないか、
私も最初はそう思った。









でも彼がどんな風に笑い、泣き、
そして嘆くのか。

とても興味があった。









…何としてでも、欲しい。








手に入れたくてしょうがない。









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廉「 ……っ？！ 」

「 あ、ごめんなさい…！ 」









満員電車の中。
君との距離は約20cm。









「 すみません、怪我は無いですか？ 」

廉「 大丈夫っすよ。
お姉さんこそ大丈夫っすか？ 」

「 良かった。私は大丈夫です 」









廉「 じゃあ降りるわ。またね、お姉さん 」









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心臓がいつもより速く脈を打つ。

今までずっと“ 非日常 ”を求めていた。
次は彼が私の日常を変えてくれるだろう。


どう味わおうか。









自然と口角が上がっていくのが分かった。









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