東海物語。3

■プロポーズ大作戦。青ver.6 ページ14

りょうの言ってること、全部わかってたはずだったのに。
いざ言葉で伝えられると、なんにもわかってあげれてなかったんだなって思った。

でもそれと同時に、全てをさらけだしてくれていたりょうのことを、すごく愛おしく感じた。

「どっちのりょうも…大好きだよ…」

り「…逆にAは、俺でいいの？」
り「あんまり色んなとこに連れて行ってあげられないし」
り「俺はそれをすごく気にしてた」
り「…俺じゃない誰かの方が、Aのこと幸せにしてあげれるんかなって」

り「…でも、俺が、俺じゃなきゃ、嫌だった」

り「他の誰か？なんて想像もしたくない」

り「俺が幸せにしてやりたい」


り「Aも、俺じゃなきゃだめでしょ？」


ぽん、とわたしの頭にりょうの手がのる。

少し上を見上げれば、自信満々のいつものりょうと、少し不安げなわたしだけのりょうの姿。

そのまま、りょうの身体にぎゅっとハグをする。

「…りょうじゃなきゃ、だめ。」

「りょうがいい」

り「…こんなに俺の事わがままにさせたの、Aのせいだからね？」

「…ごめん」

り「ははっ、そこ謝るとこじゃないよ笑」

り「…ねぇ？」

「うん？」

真っ直ぐにわたしを見つめるりょう。


り「俺と結婚しよ。」


り「…じゃないな、俺と結婚するよね？」


ちょっと強引な、だけどなんとなくりょうらしいそのセリフ。


「…してあげる」

り「なんでAまで上から目線なの笑」

「…年上だから？」

り「…ふーん、？」
り「後で覚えといてね？」ｺｿ

耳元で小さく囁かれ、一気に体全身が熱くなるのがわかる。

だからわたしも負けじと、

「じゃあわたしもいじわるしてやるんだからねｯ」

って言った時の、あなたの照れた顔、ずっと忘れないからね？



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