. ページ6
樹side
「……苦しい」
高「ん？」
「まずは……えっと、これ」
オーバーサイズのハイネックを捲り、首元を顕にした。
俺だって見たくもない、パンパンに腫れた甲状腺を高地に見せた。
首が長いからか知らないけど、余計にその腫れは大きく見えて。
言葉を失う高地。無理もない。
「バセドウ病。って言うんだって。首は腫れるし今俺の目、出てるだろ？これも病気のせい。
体はずっと怠いし、動悸っつーんだけど、脈が飛んだり強かったり激しかったりして苦しくて。
大したことない病気だって、そんなこと分かってるけど、怠くて自分の思った通りに動けないこととか、いつか仕事中に我慢できなくなるぐらい動悸がしたらって、怠さとかで動けなくなったらどうしようって。不安で不安で……
もう、訳わかんねぇ……苦しい。しんどい。
高地。助けて、っ………」
何故だろう。
あんなにずっとひとりで我慢して、誰にも言えなかった弱音を、何故高地の前でダサいところも弱いところも全て吐けてしまうのだろう。
あの、弱い自分を保護するだけのハリボテのようなプライドはどこに行ったのだろう。
己の中で留めるには限界を超えたのか、果てまた高地の所為なのか。
もう何も考えられなくて、感情の赴くままに、泣いた。
それはそれはみっともなく、頭を高地の肩に委ね、泣いた。
「そっか、そうかそうか」と優しく背中を撫でてくれる高知の手が熱を帯びた俺の体を冷まして、そして温めてくれた。
それが堪らなく嬉しくて、心地よくて
堪らなく安心した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しずく - 面白かったです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2021年8月2日 21時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 面白いです！ (2020年10月31日 3時) (レス) id: 7af6836f29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くも | 作成日時：2020年9月24日 23時
