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高地side
「_________で、何があったのさ」
ベンチに着く頃には樹の様子も幾分落ち着いていて、俺もその頃には冷静さを取り戻した。
それでも樹の額にはびっしょりとした汗。
最初は樹から事の顛末を引き出そうともした。だけど
「ずっと苦しかったんじゃないの？辛かったな。」
急にここまで悪くなった訳がない。
きっと、長い間この病院にかかっているのだろう。
俺らの知らないところで、ずっとこの不調と闘ってきたのだろう。
ここに来る前に鞄から飛び出ていたおくすり手帳が、容易にそれを連想させた。
そこまで自分で溜め込んで我慢して、誰にも、そして俺らにも何も言わなかった。
そんな他人本意で哀しい根性を持ち合わせた樹が、今更はいそうですと自分から言える筈もないし
最も落ち着いたとはいえぐったりと背中に壁を預けぐったりとする樹から聞き出すのは酷だと考えた。だから
「まずは、ごめん。お前がこんなになるまで気づかなかった、何も聞かなかったこと。辛かったし苦しかったよな。
今、樹が何と闘ってるか教えてくれない？樹が苦しむの見てると、俺も苦しい。
仕事仲間でもあるけど、俺はお前のことダチだと思ってるから。友達が苦しんでるの、放っておく程俺、冷たい人間じゃないから」
壁に背を預けつつも、俯き目に涙を溜める樹にそう促した。
樹「こーち………ごめん。ごめん……………」
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しずく - 面白かったです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2021年8月2日 21時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 面白いです！ (2020年10月31日 3時) (レス) id: 7af6836f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くも | 作成日時：2020年9月24日 23時
