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ジェシーside
「教えてください、樹のこと。」
他人のことを詮索する趣味はない。
しかし、昨夜のことも相まって俺は本当の意味で「田中樹」のことが知りたくて、申し訳ないが帰宅の後をつけた。
施「でも……ナイーブな事だから……」
「昨日、僕の家に泊まってくれた時、樹魘されてたんです。過呼吸になって。なんて声掛けたらいいか分からなくて。
きっと色々とある、耳が聞こえないふりをしていることも、喋らないことも、転校してきたことも。だから下手なこと言っちゃいけないって。
このまま何も知らないまま樹と上辺だけで友達しているの嫌なんです。だから、教えてください、樹のこと。秘密にするから」
昨夜、相も変わらず俺の家でライブDVDを鑑賞したり、下手くそなりに2人で曲なんて作って過ごして。
本当に楽しかった。音楽で繋がれる友達を持ったことが初めてだったから。
樹も、喋りこそしないし笑うこともさほど多くなかったけど、楽しそうにしてくれていたように見えたから。
でもその「楽しそう」も俺の思い込みだったかもしれない。笑ってくれる回数が少ないことも少しだけ気になっていた。
そして、昨夜目の当たりにした樹の異変。
深夜、急に過呼吸を起こして嘔吐した。
背中に手を添えても、がたがたと震えて治まらなかった。
ぱくぱくと口を動かし、「ごめん」と重ねて詫びていたが、声は聞こえなかった。
無理させていたのかもしれない、付き合わせていただけかもしれない。
贖罪の気持ちも併せ、樹のことが聞きたかった。
施「うーん……本人の許可が……」
カ「どうしたんですか？こちらの方……あ、もしかして！」
「僕のこと知ってるんですか？！」
カ「ジェシー……くん？ですよね？！ 樹くんから色々話聞いてますよ〜うわぁ〜お噂以上の背の高さ〜！！」
どうやらカウンセラーさんの計らいで、話は通ったみたいだ。
立ち話はなんだから、と案内されたのは職員室。
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しずく - 面白かったです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2021年8月2日 21時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 面白いです！ (2020年10月31日 3時) (レス) id: 7af6836f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くも | 作成日時：2020年9月24日 23時
