12.らぶらぶ ページ30
今日は灰羽くん……改め、リエーフくんのお家に遊びにきた。
デート、なんて言えば聞こえはいいけど、実際は溜まった夏の課題を2人で終わらせようの会みたいなもので夏合宿の後、夏休みに何をするかを話し合った結果だ。
男の子、しかも彼氏の部屋なんて緊張するけれど課題をしにきたんだから、と頬を軽く叩く。
「Aさん、ここわからないです」
デートだとご機嫌だった彼も一応は真面目に取り組もうとはしていて、行き詰まると子猫のような目でこちらを見つめてくる。
素直なところがかわいい。
『ふぅ……』
しばらくしてノートをパタリと閉じて彼の方を見ると、ひと足先に机に突っ伏してダウンしていた。
ずっと計算問題と睨めっこしていたし、疲れたのだろう。
『……休憩にする？』
そう言うと嬉しそうにニコニコして顔を上げる。
「オレ何か食べるもの持ってきます！」
彼はそういうと軽い足取りで部屋を出ていき、あっという間に部屋に1人残された。
彼の声もなくなって、空調の音だけが響く。
床に置かれた机の横に、ふと目に入る彼のベッド。
静かな室内で一人きり、少し魔が刺した。
(いつもここで寝てるんだよね)
床に座ったまま布団に顔を預けると、ふわっとリエーフくんの匂いがして落ち着く。
(……好きな匂い)
後輩だけど、今日はそれだけじゃなくて……
「……あんまり可愛いことしないでください」
ハッとして顔を上げると、部屋の入り口でお菓子を持って立ち尽くしているリエーフくんが。
『あ、ち、ちが……』
なんとか弁解しようとする私をよそに、リエーフくんはズンズンとこちらへ歩みを進めて一気に距離は近くなる。
すぐに私は捕まって、ベッドの上で彼の腕の中だ。
『っ……くすぐったいよ』
「お返しです」
首筋に顔を埋められて、匂いを嗅がれる。腕はがっちりと腰を固めていて逃げようもない。
異性だということを強く意識させるような。
『リエーフ、く』
「……レーヴォチカ」
『……？』
「愛称です、やっぱりそう呼んでほしい」
『……この前リエーフくんって呼ぶようになったのに』
「おねがい」
『…………レーヴォチカ』
「……ふふ」
ゆるく目を細めた彼と目があって、ドクリと心臓が鳴った。さっきまで子猫だと思っていたのに、もうすでに立派な大人猫のようで。
『……しないよ』
「……」
『だからしない……んぅ』
抵抗も虚しく唇は重なって、短いキスが何度も降る。
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えま - はい！読みます！！ (4月6日 18時) (
レス) @page33 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - えまさん» コメント嬉しいです…！ありがとうございます☺️ (4月6日 11時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月6日 9時) (レス) @page32 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - いもりさん» 素人の文にそう言って頂けて嬉しいです…！こちらこそありがとうございました🙏 (4月5日 22時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
いもり - 完結おめでとうございます！！とってもドキドキしました(｀･ω･´)こんないい作品書いて下さりありがとうございました！ (4月5日 17時) (レス) @page32 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボルシチ | 作成日時：2024年3月22日 12時
