蜂楽 廻の可愛がり日記。

ナメたら痛い目見るんだよ ページ27

「よぉーし、Aちゃんにはこのめぐるさまの御加護を与えてしんぜよー！」

『ははあ〜。めぐるさまの御加護、ありがたきしあわせにございます』

「苦しゅうない苦しゅうない！」

『めぐるさま〜』


「…2人ともなにしてるの？」


「『宗教ごっこ』」

「え？
…よくわかんないけど、家壊さないでね！じゃあ、行ってきます！」

「壊さないよ。行ってらっしゃいー」





昼頃インターホンが鳴ってAに部屋で待っててもらって出てみたら、なんかあやしそうな団体で、聞けば宗教がどうのって言ってたから親は今いないって言って追い返した。


『誰だった？』

「何かの宗教団体だった。危ないからほっとこうね」

『…しゅうきょうってなに？』

「えーっとね、んー、なんて言えばいいかな？
ざっくり言うと、神様とか、自分の信じたいものや尊いものを神聖として崇める人たち…かな？」


Aにざっくり説明した。
宗教の説明ってムズいー、俺も詳しくわかってないし。


『じゃあ、めぐる教つくる』

「え〜、なにそれ可愛いー♪」


これが宗教ごっこのはじまり。
可愛いことポンポン言ってくるA可愛い好き。



『神様仏様めぐるさま〜。
めぐるさまの御加護を〜』


おぉ、Aってこういうの、いつもテキトーに乗っかって終わるのにAから振ってきただけあってノリノリだ♪


「よぉしよぉし！」

『わたしのかわいいかわいい宝物のめぐるさま』


Aが俺に向かって手を合わせて拝んでる

可愛いなぁ…♪


てか、A 俺のことかわいいって思ってたの？
へぇー、それはそれは…。

これは俺が男だってことをちゃーんと教えてあげなきゃだねー♪


「Aはダメな信者だねぇ」

『え？』

「その相手を尊く神聖に思ってるから信仰するのに、そんな信仰する相手に"かわいい"なんてナメたこと言っちゃって」

『え、そういう意味じゃ…』

「"めぐるさま"として信者に大切なことを教えてしんぜよう」

『…めぐ？』


「"めぐるさま"でしょ？」



俺の雰囲気が変わったから、やらかしたって思ったAが呼び方を戻しちゃったから耳元で囁きながら教えてあげた。
俺は今、Aが信仰する"めぐるさま"。
Aは"めぐるさま"の信者。


A、ナメたら痛い目見るんだよ？

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