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薄暗い照明。
アルコールの匂い。
葉巻、煙草のけむり。
ブラインド・ピッグは、まさに禁酒時代の隠れ酒場の名にふさわしい場所だった。集まっている客層も、どこか普通ではない雰囲気を醸し出している。
クイニーとジェイコブが店をまわっている間、ニュート、ティナ、Aは、件のゴブリン、ナーラクに会うことができた。
「魔法動物……まあ、心当たりがないわけでもないが。タダで教えるってわけにはいかねえよなあ」
ナーラクは舐めるような目つきで３人をじろじろと見る。ニュートは仕方ないと言わんばかりに、自らの持っていた価値のありそうな道具を机に出す。だがどれも、ナーラクに“もういくつも持ってる”、“価値はない”と言われ、交渉は難航した。
そんな中、ナーラクが目をつけたのが、ニュートにくっついていたボウトラックルのピケットだった。
「そいつ、ボウトラックルか？……ボウトラックルは、錠開けが得意らしいな」
先ほどまでまったく惹かれていない様子のナーラクだったが、ピケットには身を乗り出して興味を示している。
「そいつとなら情報と交換してもいい」
待ち望んでいた言葉だったが、ニュートは躊躇した。
「いや、ボウトラックルと交換は……」
「できねえのか？じゃあ交渉決裂だな」
「………っ」
ピケットもニュートの動揺を感じ取ったのか、怯えて彼の手にしがみついている。しかし、ナーラクはもはやピケットとの交換以外で情報を吐こうとはしなさそうだった。ニュートは眉を顰めながら、その手をナーラクに差し出そうとしーーー、
「………待ってください、先輩」
制止したのはAだった。
「なんだ、子供が口を出すんじゃねえ」
「……あの……これは、どうですか」
そう言ってAは大きめのペンダントのようなものを懐から出し、ナーラクの手に乗せた。
「なんだこりゃ……カメオか？……この紋章は……」
それは、ある人物の横顔の彫られたカメオ細工のペンダントだった。かなり年期の入ったそれを訝しげに見ていたナーラクだが、カメオの裏面の“何か”に気がつき、「ちょっと待ってろ」とニュートたちに言い残ししばらく店の奥に消えた。またすぐ戻ってきた彼は、信じられないといったような表情で開口一番Aに尋ねた。
「お嬢ちゃん、どこでこれをーーー」
「………」
Aは無表情のまま、何も答えない。
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ミコト(プロフ) - 更新大変だと思いますが、続き見たいです!!楽しみにしてます!! (2019年4月6日 11時) (
レス) id: 47f303260b (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - つづき見たいです (2018年12月7日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - こうしんやめたの？ (2018年12月7日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
らな - 頂きものページは別で記載していただきたいです。読みにくい (2018年11月26日 0時) (レス) id: ca6b27a01c (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 連載始まった時から読んでいます。１番好きな小説です。更新大変かと思いますが楽しみに待っていますm(*_ _)m (2017年2月26日 23時) (レス) id: 88bfe4bc23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめ | 作者ホームページ：http://twitter.com/kome_tsuku
作成日時：2016年12月26日 0時
