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「お前………吸血鬼だな？」
ニュートとティナが連行され、取り調べ室ではAとグレイブスの２人きりになっていた。グレイブスの質問に、Aは俯いたまま何も答えない。
「…………」
「だんまり、か」
だがグレイブスには、Aが吸血鬼であるという強い確信があった。２人がホグワーツを退学となって幾年かが経つというのに、ニュートと違いAの容姿、顔つきは実年齢よりもずっと若く見えること。そして何より、先ほどニュートたちが杖を向けられた時にAが見せた変化ーーーあれは間違いなく吸血鬼だ。
魔法使いたちの中でも絶滅したと考えられている、吸血鬼。
だからこそ、グレイブスはAだけを隔離した。
そして、彼女に１つの提案を出した。
「お前が俺に従うというのなら、奴らの処刑を取りやめてもいい」
「ーーーーっ！」
それまでじっと下を見つめていたAが、その言葉にはっとして顔をあげた。そして、しばらくグレイブスの顔を見つめ、「……嘘、です」微かな声で呟いた。
「あなたは、……嘘をつく大人の顔をしています」
そう言って、ゆらりと立ち上がった。見る見るうちに、先ほどと同じようにその髪が金に、瞳が赤に変わっていく。
「先輩は、私が、助けます」
明らかな敵対心を見せるAに、グレイブスはチッと舌打ちをして、自身の杖を抜き出した。
「……身体に言い聞かせないと駄目なようだな………クルーシオ！」
呪文とともに、杖から閃光が放たれAを磔にするーーーはずだった。バチン！というような、何かが弾け合うような音とともに、Aがグレイブスへと踏み込んできた。
彼には、Aが杖も持たず、素手で呪文を跳ね除けた……かに見えた。
しかして実際、彼女はその通りにしていたのである。
Aはそのまま、その小さい矮躯からは考えられないほどの力で混乱するグレイブスに追撃し、壁へと叩きつけた。そして取り調べ室の机に置かれていたニュートのトランクを掴み、魔法で鍵がかけられていたドアも難なく開けてその部屋から脱出した。
「だ……誰か！！容疑者が逃げたぞ！！」
軋む体を抑えながら、力を振り絞って叫んだグレイブスの声から逃げるように、Aは建物の中をあてもなく走った。
ニュートが死んでしまう。
そんな最悪の事態を考えてしまう思考を振り払うかのように、ひたすら走り続けた。
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ミコト(プロフ) - 更新大変だと思いますが、続き見たいです!!楽しみにしてます!! (2019年4月6日 11時) (
レス) id: 47f303260b (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - つづき見たいです (2018年12月7日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - こうしんやめたの？ (2018年12月7日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
らな - 頂きものページは別で記載していただきたいです。読みにくい (2018年11月26日 0時) (レス) id: ca6b27a01c (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 連載始まった時から読んでいます。１番好きな小説です。更新大変かと思いますが楽しみに待っていますm(*_ _)m (2017年2月26日 23時) (レス) id: 88bfe4bc23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめ | 作者ホームページ：http://twitter.com/kome_tsuku
作成日時：2016年12月26日 0時
