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＊
「僕に、君を助けさせてほしい」
そう告げたニュートを、Aは潤んだ瞳で見つめる。
………彼は今、何と言ったのだろう。
「……な、なん、で……」
吸血鬼だと、今自分から告白したのに。
恐ろしいと、
気持ち悪いと、
拒否されるものだと、Aは思い込んでいた。
それなのに、ニュートはAのことを忌避するどころか、助けたいと言う。そしてその目はどこまでも真剣だった。今まで、自分のことをそんな目で見てくれる人なんていなかった。
「何でって……言われても、うまく説明できないけど」
「………」
「困ってる君を、放っておけないよ」
「……！」
照れたようにはにかむニュートの手を、ややあってAが黙って握り直す。言葉にはしなかったが、それは同意の証なのだろうとニュートは解釈した。
「名前、言ってなかったね……僕はニュート・スキャマンダー。ハッフルパフ２年だよ」
「…ニュート……先、輩……」
確かめるように、
刻み込むように、
Aはニュートの名を復唱した。
「えっ！せ、“先輩”……は、要らないんじゃないかな。君、本当は僕よりずっと年上なんだよね？」
「……でも、先輩は、先輩、……ですから」
Aはふるふると首を横に振る。
「ま、まあ、君が良いなら良いけど…。よろしくね、A」
「……はい、ニュート先輩」
＊
そこから、ニュートはAのために、すみやかに最善を尽くした。
吸血鬼についてくまなく調べ上げ、吸血衝動を薬で抑えられるのではないかと仮説を立てた。その後、校内で最も信頼の置けるダンブルドアにAとともに相談を持ちかけた。ダンブルドアは校内にーーーましてや生徒の中に絶滅したと思われていた吸血鬼がいたことに驚いていたが、ニュートの思惑通り、協力することを約束してくれた。
その後ニュートたちは、魔法薬学の教授の力も借り、他の生徒に気づかれないよう、Aのための研究を寝る間も惜しんで続けた。
その数ヶ月後、完璧とは言えないが、発作の頻度を下げるための薬が完成した。幸いなことにAは純血の吸血鬼ではなかったため症状も軽く、この薬を飲んでいれば、ダンブルドアが用意してくれた輸血パックをたまに口にするだけで、完全に自分をコントロールすることができるようになったのだ。
＊
(過去編長くて本当にすみません……もうすぐ終わります)
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ミコト(プロフ) - 更新大変だと思いますが、続き見たいです!!楽しみにしてます!! (2019年4月6日 11時) (
レス) id: 47f303260b (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - つづき見たいです (2018年12月7日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - こうしんやめたの？ (2018年12月7日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
らな - 頂きものページは別で記載していただきたいです。読みにくい (2018年11月26日 0時) (レス) id: ca6b27a01c (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 連載始まった時から読んでいます。１番好きな小説です。更新大変かと思いますが楽しみに待っていますm(*_ _)m (2017年2月26日 23時) (レス) id: 88bfe4bc23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめ | 作者ホームページ：http://twitter.com/kome_tsuku
作成日時：2016年12月26日 0時
