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彼女はニュートの問いに対し小さく頷きーーーそして、自らの生い立ちについて語り出した。
彼女の名前は、A・アルカード。
スリザリンの一年生。
父や母の顔は知らない。赤ん坊のときに、イギリス郊外にあるマグルの孤児院の入口に置き去りにされていて、そのままそこで育った。
物心ついた時から人間の食べる食物を受け付けず、孤児院では食事の時間、食べるふりをして水だけで過ごしていた。
彼女が初めて血を欲するようになったのは５つのとき。外で遊んでいるときに、他の孤児が転んで膝を擦りむいた。そのときに滲んできた血を、Aが舐めとったのだ。彼女にそのときの記憶はほとんどないが、初めは手当をしようと思って近づいたのに、気がつくと傷口に口をつけていたのだという。
そして彼女の吸血鬼たるもうひとつの特徴が、衰えない、つまり成長しないことだった。彼女は初めて血を口にした頃から、身体の成長が異常なほど遅くなった。知能は同年代の子どもと同等、それ以上のものを持っていながら、身体は幼いまま。１０歳になっても７歳ほどの容姿、１５歳になった頃は１２歳ほどの容姿ーーー。
そして１８歳になった頃、１５歳ほどの容姿になったAの身体は、これでお終いと言わんばかりにそれ以降の変化を止めてしまった。
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そのようなことがあって、Aは同年代の子どもからも、大人からも気味悪がられるようになりーーー実年齢が１５歳になった日、彼女は自分から姿を消した。
それからAは、同じような施設を転々としたり、子どものいない夫婦に養子として育てられたり、あるいはストリートチルドレンとして路上暮らしをしたりと、日々を生き抜くことで精一杯だった。
＊
そんなある日、彼女のもとに手紙が届いた。
彼女はそのとき、ロンドンの裏路地で、複数の子どもたちと物乞いをして暮らしていた。似たような境遇にある子どもたちの面倒を見るのがーーー容姿はともかく、実年齢では最年長のーーーその当時のAの日課だった。
「なに…この手紙……」
路上に落ちていた手紙に、自分の名前が書いてあるーーーそんな偶然が起こりうるのだろうか？
アルカードの名は、確かにAが捨てられていたとき、バスケットの中のメモに書かれていた彼女の本名だが、それを人に伝えたのはもうずっと前で、今では知っている人間は自分しかいないであろうはずなのに、なぜーーー？
訝しみながら、Aはおそるおそる手紙の封を切った。
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ミコト(プロフ) - 更新大変だと思いますが、続き見たいです!!楽しみにしてます!! (2019年4月6日 11時) (
レス) id: 47f303260b (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - つづき見たいです (2018年12月7日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - こうしんやめたの？ (2018年12月7日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
らな - 頂きものページは別で記載していただきたいです。読みにくい (2018年11月26日 0時) (レス) id: ca6b27a01c (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 連載始まった時から読んでいます。１番好きな小説です。更新大変かと思いますが楽しみに待っていますm(*_ _)m (2017年2月26日 23時) (レス) id: 88bfe4bc23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめ | 作者ホームページ：http://twitter.com/kome_tsuku
作成日時：2016年12月26日 0時
