35-5 ページ6
最初こそ、退屈そうにU-20代表の
ちらり、と視線だけを横へと動かせば。相変らず、Aは脱力するように冴の肩に凭れ掛かったままだったが──…彼が今何を考えているのか、冴は手に取る様に理解できる。
一度飽きられてしまえば、二度とその瞳に映ることは叶わない。
その子供のような性格が故に、残酷さも持ち合わせているのがAという人間である。この試合で最終的にU-20代表がどうなろうが、Aも冴と同様に「どうでもいい」と考えているのは明白だ。
とはいえ、一切の興味を失くした、というわけでもないらしい。現に、今のAはまるで新しい玩具を与えられた子供の様な顔をしていた。
「……ハットトリック、って言ったら叶えてくれるのかい？」
おそらく愛空としては、Aが『アイツら相手に無茶言わないでよ〜』と笑い飛ばすだろうと考えての、ほんの軽口のつもりだったのだろう。
……だが、Aにとってそれがなんら難しいことではないと知っている冴からすれば、Aの答えなど簡単に予測できた。
『──
そして案の定、まるで大したことではないとでも言う様に、Aは微笑んで見せる。
閃堂達はAが何と言ったのか理解できずに首を傾げていたが──…言葉の意味は分からずともAの表情で何となく察したらしい愛空は、「…冗談だろ？」と目を見張っていた。
『後ろは守ってくれるんでしょ、愛空？』
「…！ おぅ、好きに暴れてくれ」
精々飽きられないようにしろ、と愛空に忠告したのは冴本人だ。だが実際にこうしてAが愛空に興味を持つのを目の前で見せられてしまえば、少し面白くない。
「……運の良い
Aが髪をハーフアップに纏めはじめたのを見て、冴は小さく呟いた。しかしこうなった以上、冴だけ帰るわけにもいかない。
「
Aが投入されるのなら、前半戦の時のように不毛な時間を過ごすことにはならないだろう。なら、このまま試合に出るのも悪くない。『早く早く！』と急かすAに促されるまま、冴は再びユニフォームに袖を通す。
「行くぞ、A。
──��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3549人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レム(プロフ) - 椿さん» 図々しくコメントしてしまいすみません（ ; ; ）私のほうこそ、こんなに素敵な作品に出会えて本当に幸せです！😭✨本当にありがとうございます！！長々と大変失礼致しました！😭返信不要ですのでお気になさらないでください😭 (3月27日 0時) (
レス) id: 788e941d21 (このIDを非表示/違反報告)
レム(プロフ) - 椿さん» わ、わ、本当ですか…！！！😭もちろんお忙しい中で更新していただける事が本当に本当にありがたいのでどうかご無理はなさらないでください🙇♀️もし、番外編が息抜きとなるようでしたらぜひ楽しみにしております😭🩷🩷 (3月27日 0時) (レス) id: 788e941d21 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - レムさん» ただ如何せん本編の更新が滞り気味なので難しいかな、と断念してまして😭でもいい機会なので、執筆に行き詰った時の息抜きにでも書いてみようと思います! 遅筆極めまくってる鈍行作者なので、いつ頃公開できるかは未定なのですが…、、ちょっと色々考えてみますね！ (3月25日 23時) (レス) id: 21af35fe59 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - レムさん» レム様の温かい応援いつも大変励みになっております、本当にありがとうございます✨ ば、番外編…!!実は一度考えたことあったんですよね…。原作に沿って書いてると凛ちゃん出てこない場面も全然あるし、絡まないキャラとか出てくるし…💦 (3月25日 23時) (レス) id: 21af35fe59 (このIDを非表示/違反報告)
レム(プロフ) - 椿さん» もし差し支えなければなのですが、番外編のような小話で凛ちゃんとの絡みや愛され男主くんが見れたら嬉しいなと思い、ご検討いただければ幸いです😭🙇♀️椿さんの書かれる凛ちゃんからの激重感情、最高です（ ; ; ）♡大好物です…！ (3月25日 16時) (レス) id: 788e941d21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：椿 | 作成日時：2024年2月2日 7時
