青い監獄の敏腕オペレーター【5】

187話 ページ8

ネスside


カイザーがAに尋ねた。




＿＿＿お前にとって1番は誰だ。





真剣な眼差しでカイザーはAを捉えたが、Aは微笑んで口を動かした。しかし、タイミングが最悪であり絵心のアナウンスによりAが告げた言葉が聞こえなかった。




「カイザー、聞こえました？」

「全く」




やる気の無い無感情な絵心のアナウンスは、おそらく他の者のアナウンスよりも音量が大分上がっていた。あいつ少しはやる気出せよ。そう思ったが、この件が現在仇となっている。さて、どうしたものか。




「もう1回言わせましょう」




なんて言ったのか、再確認を。








＿＿＿カイザー以外を選択したのなら即 処刑します










そう敬愛するカイザーに告げた。
同じ環境で過ごしたはずなのにあの女にとってカイザーでは1番では無い。カイザーはずっとこの人に会いたかったので、今も想い続けているのだから。








「いや、いい。」



「どうしてです！！」







”あなたはずっとあの女との再会を






待ちわびていたじゃないですか！






ここまで来て諦めるんですか！”








そう告げれば、
カイザーは少し顔を下げて言った。









「アイツはあれでいいんだよ」













「何かに囚われるアイツは もう見たくない 」










少し悲しげな表情でいうカイザーは
洗脳すると言い出したり、Aに対して暴言を吐くことも許さず、何故あの女をここまで想うのか、自分では、訳が分からない。







「アイツは自由なほど輝くからな。



喰い時までしばらく待ってやろうじゃないか」









Aと再開してから
カイザーの表情はより変わるようになった。












カイザーにとって1番尊敬している人物は
あの女かも知れない









でも、
あの女にとって1番はカイザーではない可能性もある。










すれ違う2人の感情や 思いや 時間が
とてももどかしい。

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