告白 ページ10
智「・・・あのね？」
ニノ「うん？」
智「おいらの、びょうき・・・」
ニノ「あぁ、言いたくなかったらいいからね、
俺が話したかっただけなんだから。
そりゃ、気にならないって言ったら嘘になるけどさ・・・
でも話したくないことの一つや二つあるでしょ？」
智「ニノ、きいて・・・」
真剣な智の目。
智「おいら・・・、しんぞうのびょうきなの。」
ニノ「え・・・？」
智「むかしからにゅういんしたり、たいいんしたりのくりかえしで・・・、
がくせいのころは、あんまりがっこ、いけなくて。
ほっさおこすと、そのたびにじゅみょう、ちぢまるからって。」
ニノ「そうなの・・・？」
智「おいらも、ドナーまってるの。
でも、もしまにあわなかったら、
かいがいまでしゅじゅつしにいかなきゃならないかも・・・。」
ニノ「そんな・・・」
智「そとにでらんないのは、がっぺいしょうをふせぐためなんだって。
ほかのびょうとうも、あしどめされてて。
ニノがくるまでは、ずーっとひとりでへやにこもって・・・
えかいたり、ここでボーッとしたりしてた。」
ニノ「そう、だったの・・・」
話疲れたのか、ﾊｧ、とため息をつく智。
その後、ﾌﾆｬﾘと笑って、ニノを見る。
智「きいてくれて、ありがと。」
ニノ「ううん、俺こそありがとね。
ねぇ。
もしかして、こないだのも発作？」
智「うん、ちいさいほっさ。」
ニノ「そっか・・・今は？大丈夫？」
智「ﾌﾌ。」
ニノ「え？」
智「いままでそんなしんぱいしたことなかったじゃない。」
ニノ「心配になるでしょ」
智「ふつうにしててよ。いままでみたいに。
んね？」
ニノ「普通に？」
智「ふつうに、せっしてほしいもん・・・」
ニノ「え？」
智「びょうきのことしると、ほとんどのひと、たいどがかわって、
はれものあつかうようにしたり、はなれてったり・・・」
ニノ「そっ、か・・・」
智の見た目はこんなに強気に見えるのに、中身は全然違ってて。
優しくて繊細で、ボロボロに傷ついてる。
そう考えたら無性に悲しくなり、
ｸｼｬｯと軽く智の髪を掴んだ。
ﾌﾌ、と嬉しそうに笑う智。
フラフラとゆっくり立ち上がる。
智「そろそろいこ？」
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作者名：天の子 | 作成日時：2019年7月14日 14時
