会いたいから ページ7
ニノ「ん？ゆっくりでいいよ」
智「ほんとはね・・・、ニノとあうまで、ぜんぜん、たべられ、なっくて・・・」
ﾊｧと、一息つく智。
智「でも、ね・・・ニノ、と、あいたいから、ごはん、とり、いくよう・・・なって」
知らなかった・・・
智がそんな状態だったなんて。
智「だか・・・ニノの、おかげ・・おこられ、なくて・・・すむし」
ﾌﾆｬﾘと笑い、ありがと。と小さく言って、大きくため息をつく智。
ニノ「そーだったの・・・？」
智「・・・ん。」
ニノ「こ、今度からは、あんまりムリしないで？また、食べさせてあげるし。ね？」
智「ﾌﾌ、みみ、まっか」
ニノ「う、うるさいなっ」
精一杯の照れ隠し。
知らないうちに智の力になれていたんだと思うと喜びであふれる。
ニノ「あのね、俺さ、言ってなかったじゃない？」
ん？
という顔をして小首をかしげる智。
ニノ「ほら、あのさ、病気のこと」
智「・・・いわ、なくて、いいよ」
ニノ「でも、智には伝えておきたくて。」
智「・・・すこし・・・でも、・・・イヤなら、・・・やめて」
ニノ「ううん、きいてくれる？」
少し考える智。
智「・・・ん。ニノ、が、いいな、ら・・・でも、はな、せるとこ、だけで、いいよ」
ニノ「ありがと」
思わずにやけてしまうほど、智は優しい。
ニノ「俺ね、一年前、事故に遭ったの。
怪我はもう治ってんだけどね、でもその後遺症でさ、
内臓の一部がうまく機能してないんだって。
それで、今注射とか打ったり、薬のんで治療しながらさ、
ドナー待ってんだ。」
智「・・・そっ、か・・・」
ニノ「んでも、こんなﾋﾟﾝﾋﾟﾝしてるしさ。元気なのよ」
智「ん、・・・あぃがと」
智が話を受け止めてくれたことに喜ぶ。
ニノ「ありがと、聞いてくれて・・・。ﾌﾌ、いつもふざけてばっかだから、なんか照れるね」
智「・・・おいらは・・・」
ニノ「待って」
キョトンとする智。
ニノ「まだ辛そうだよ？智の話は今度ゆっくり聞くから。
今は休も？ほら、手ぇ握っててあげる」
眉毛を垂らしてﾌﾆｬｯと笑い、目をつむる。
額に浮かぶ汗を、いつも傍に置いている紺色のタオルで拭き取る。
早く良くなれと呪文のように心で唱え、智の可愛い寝顔を見つめる。
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作者名：天の子 | 作成日時：2019年7月14日 14時
