メロメロ ページ47
智「・・か・・な・・・ぃで・・・？」
かすれた声。
ウルウルとした目。
寂しそうに訴えてくる智。
ニノ「ﾝﾌﾌ、ここにいるよ？」
握った智の手を、もう片方の手で優しく包む。
安心したのか手の力が抜け、再び目をつむる智。
昨日よりも顔色は良くなっていて、
クマもほとんど目立たなくなっていた。
よく眠れたのかな・・・
ｶﾗｶﾗ
看「おおのくーん、点滴替えるわねー」
看護師の声。
頭の下に敷く氷枕も交換される。
看「二人はいつも一緒ね」
笑うベテラン看護師。
点滴の交換が終わり、また２人きりになる。
俺達って周りから見たらすげぇ仲良いのかもなぁ・・・
ふとそんなことを思いながら、智の細くて白い綺麗な手を握る。
智「え、かき･･･たい、なぁ･･･」
ニノ「ん、もすこし具合よくなったら、一緒に描こ？」
智「いま･･･」
ニノ「今？！だぁめだよ、熱あんだからね？
それに、ムリしたらまた苦しくなっちゃうでしょ」
ニノの少し大袈裟な反応にﾌﾆｬﾘと笑う智。
智「･･･しん、ぱ、い････？」
ニノ「そりゃあ心配するでしょ、俺そんな薄情じゃないよ？」
智「ん･･･」
またﾌﾆｬﾘと笑う。
なんてかわいい顔すんのよ・・・
思わずメロメロになってしまう。
ニノ「傍にいるから、少し寝よ？」
智「いっ、しょ･･･ねる･･･」
なんとかニノのスペースを作ろうともがく。
ニノ「さ〜と〜し、動いちゃダメだってば。ここにいるからさ？」
智「･･････」
しょんぼりして口を尖らせ、潤んだ目でニノを見つめる。
その目はずるいって！
思わずニヤけそうになり、自分の顔を両手で覆うニノ。
ニノ「っじゃあ･･･今度さ、調子良い時また俺のことかくまって？」
顔をキリッとさせ、また智の手をしっかりと握りながら話す。
ゆっくりと頷いた智。
今はとにかく少しでも楽にしててもらいたい。
ニノ「ちょっと眠ったら？」
智「ん･･･」
少しすると、智の手から完全に力が抜けた。
ニノ「眠ったかな･･･」
そっとその手を布団の中に入れ、
起きないかハラハラしながらかわいい寝顔をﾁﾗｯと見る。
どうやら大丈夫そう。
もうしばらく傍にいよう。
そう思って、智の部屋に置いておいた自分の漫画を開く。
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作者名：天の子 | 作成日時：2019年7月14日 14時
