来たくて来てる ページ33
智「ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ・・・ﾊｧｯニ、ノ・・おいらね・・・」
ニノ「んー？」
色んなパンツを見て楽しくなってるニノに、ゆっくりと話しかける智。
智「も、・・・ダメなんだ・・・って」
ニノ「ん？ダメなの？なにが？」
智「・・・も、できないって・・・」
ニノ「できない？って、・・・っえ？」
一瞬にして背中に緊張が走る。
ニノ「なに？なんの、こと・・・？」
智の顔へ視線を移す。
智「し、じつ、・・・も、ﾊｧｯでき、ないって・・・ﾊｧ」
ニノ「それ・・・ほんとなの・・・？」
ｺｸﾝと頷く。
ニノの胸に冷たいものが落ちる。
ニノ「アメリカに行けば治るんじゃないの・・・？だって最終手段だったはずでしょ？」
ふと視線をそらす智。
智「・・・ごめ、・・ね？」
ニノ「え？
なんで智が謝るの？」
智「ニ、ノ・・・の、こと、・・・しばって・・・」
ニノ「何言ってんの、そんなことないって！」
思わず声を荒げる。
ニノ「前にも言ったじゃない？俺が来たくて来てるんだよ！
これからも傍にいるからっ。ね？」
智「・・・ｯ・・・」
泣きそうな顔をして、手を伸ばしてくる智。
その細い細い手を、強く握り締めるニノ。
ニノ「きっと、ドナーが現れるよ・・・信じて、待とう？」
涙を浮かべながらも、頷く智。
身内総出で治療費をなんとかしようとしているうちに、
智の心臓はもう手術に耐えられないところまできてしまったらしい。
後に残された道はドナーのみだと、
智はポロポロと涙をこぼしながら話してくれた。
ニノ「翔ちゃん、寝てる？」
あれから智が眠りについて、翔の部屋に来たニノ。
翔「あ、ニノぉ」
力なく笑う翔。
翔「智くん、どお？」
ニノ「うん、一度起きて、また眠ったよ。」
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作者名：天の子 | 作成日時：2019年7月14日 14時
