寂滅の天使は夜に笑う3 (ページ32)

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113阿部side ページ32

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長い間一緒にいると、何か通じるものができてくる。例えば同じ日にみんなしてスイーツを買ってきたり、何となく出かけた場所で鉢合わせたり。

今日もそうでラウールが寝たあと、誰からともなくダイニングルームに缶ビールを片手に集まった。

佐久間まで来た時は、すっかりここの人間になったなって。

顔つきも随分変わった。

佐久間はもう前を向いてるんだ。9人という狭いコミュニティの中だけでなく広い世界に目を向けて。

それを見てふっかが何も言わないのが気になるけど。

…前まで、俺らが少しでも離れて行こうとしたら遠回しに諦めさせたくせに。

目「あ。翔太くんもう潰れた」

向「ほんとや！も～明日二日酔いひどいからって泣きついてきても知らんで！」

阿「翔太ー？部屋行って寝たら？」

この9人で居られることにはしゃいだのか、ここまで酒に弱くなかったはずなのにもうダウンしてる翔太に声をかける。

渡「やだ。」

阿「いいけど、風邪ひいても知らないからね。」

渡「んー。」

阿「全くもう」

真っ赤な顔で机に突っ伏している翔太にタオルケットをかけた。