寂滅の天使は夜に笑う3 (ページ30)

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111向井side ページ30

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「おい蒼ー。なんで一人じゃねんだよ。」

ラ「蒼くん、誰この人達？」

何やら不穏な声が聞こえて五人一斉に反応する。声の主は誰か分からないが、ラウのテーブルを三人の柄の悪そうな男が囲んでいた。

「お前こそだれだよ。」

「蒼くんお友達～？」

「この子も遊んで欲しいのかなぁ笑」

蒼「ちが…」

ラ「今二人で話してるんですけど。蒼くんになんの用？」

ラウールも察したのか、蒼くんという子の前に立ちはだかり睨んでいる。

佐「まずくない？」

岩「危なそうになったら直ぐ救出できるように待機。右の奴から舘さん、佐久間、翔太、俺。康二は二人を安全な場所へ。」

佐久間くんの言葉に頷き、即座な的確な指示を出す照にい。判断力がある照にいならではのスピードや。

俺を三人の方にしなかったのにも優しさを感じる。

「「「了解。」」」

「何の用？俺ら蒼の友達だから助けてもらおうと思ったの。」

「てことで金出せよ。」

「てかお前邪魔。どけよ。」

何や、アイツら。人の大事な家族に邪魔とか言いやがって。許せへん。

ラ「嫌だ。お前らみたいなやつが友達な訳ないでしょ！蒼くんは俺の友達だから。」

蒼「ラウールくん良いよ…」

ラ「ダメだよ。こういう奴らははっきり言わないと分からない。…帰れ。蒼くんに手を出すな。」

「え？俺らなんもしてないけどー」

ラ「三人で一人からお金を巻き上げようとするなんて…そんな事許さない。いつもやってるの？卑怯だよ。」

蒼「ラウールくんｯ」

ラ「早く帰れつってんの！」

「ハｧ…ダルいわ」

ラウの一歩も引かない凛とした態度に三人が心底機嫌悪そうな顔をした。

そして、そのうちの一人の右腕が振り上げられる…

照「行くぞ！」

照にいの声がファミレスに響き渡った瞬間、俺らは走り出していた。