寂滅の天使は夜に笑う3 (ページ36)

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117阿部side ページ36

深「阿部ちゃん知ってたんだね。てか調べたのか。俺のこと。」

阿「調べたよ。」

深「いつ調べたのか何で調べたのか教えてくんない？」

阿「良いよ。」

まだ、ふっかと照と俺だけだった頃。たまたま舘さんと翔太を見つけた。きっと二人も苦しんでいる、だからどうにか出来ないかとふっかに相談したんだ。

そうしたらふっかは、二人も連れてこよう、って。

不思議だった。犯罪者を匿えばふっかも罪に問われてしまう。善意にしては、抱えるものが重すぎる。

阿「…だから理由があるんじゃないかって。」

深「そりゃあね。」

阿「しかも何でも屋を始めたばかりの頃だから、どこから五人もの生活費が出てるのかも疑問だった」

深「懐かしいね～。あん時お前、俺が泥棒してるんじゃないかって泣きながら聞きに来たもんな。笑」

阿「しょうがないでしょ」

深「16歳ぐらいだっけ？可愛かったなあ笑」

阿「する訳ねえだろ、ってめっちゃ笑われた。」

深「当たり前だろ。あれは笑うわ。」

阿「その少しあとぐらいかな。調べたのは。」

深「…そっかー。意外と最初の段階で知っちゃってたわけか。」

阿「うん」

"ふっかの家族が殺された"って

「まさかそんなことがあったとは思わないから驚きすぎて暫く引きこもってたね。
俺にとっての家族もすごく大きな存在だったからふっかはどれだけ辛い思いをしたんだろうって」

深「そんなこともあったな。あれ反抗期かと思ってたわ。」

阿「まあ、"犯罪者に復讐をしようとしてる"って気づいたのはずっと後だったんだけど」

ははっと軽く笑って、ふっかはまた真顔に戻る。

深「マジで頭良すぎ。お前拾ったのは間違いだったわ。気づかれるなんて」

そして底無しの黒い声でそう言った。