午前0時、アメリカーノに (ページ29)

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修羅場(MG) ページ29

-数時間前-

JH「そうそう。それでさ…」

最近、ヒョンはずっとあんな感じだ。
時折ベランダに出ては楽しそうに誰かと電話している。しかも必要最低限でしか電話しないジョンハニヒョンにしてはかなりの長話。
この暑い中、太陽が出ているというのに。ヒョンが嫌いな太陽が。

それほどの相手なら最初は妹と連絡とっているのかなと思った。

MH「あれ、妹に話してる素振りじゃないだろ。」

また今日もジョンハニヒョンはベランダで電話をしていて、その横つまり室内のリビングでお昼ご飯を食べている途中。
なんとなくその話題になって、他愛な様子でミンハオはそう言いながら箸を進めた。

MG「じゃあ誰なんだろう。」

MH「コレじゃないの？」

ミンハオは小指を立てた。

MG「あのヒョンに？」

MH「お前あのヒョンを何だと思ってるんだよ。」

MG「女の人か…誰なんだろう？」

MH「誰……あー、オッケー。わかった。」

MG「知ってるの？」

ミンハオはため息をひとつついて、今度は"耳を貸せ"という素振り。

MG「Aヌナ！？」

MH「声が大きい。」

MG「はっ、え？なんで！？なんでそうなるの！？意味わかんないんだけど！！」

MH「俺が知ったことか。あーうるせえうるせえ。違うかもしれないじゃん。」

大声が聞こえたのかジョンハニヒョンがベランダからこちらを見た。
俺と目が合うなり、嘲笑うかの様な顔をする。あんな顔をするということはやっぱりAヌナと話しているんだ…。
きっと焦っている俺が面白かったに違いない。
まさか、そんな。ヒョンが行動に出ていたなんて。

MH「いやぁ、あれは黒だね。」

MG「くっ…敵はテヨンさんだけじゃなかったのか…！」

MH「テヨンさ…うわ、まじか。」

アンニョンと、口が動いていた。電話が終わったのだろう。
ジョンハニヒョンが携帯をしまって、なんとも胡散臭いにこやかな顔をして室内に戻って来る。
わかる、これはサシで話さないといけないって。

JH「随分と大声であの子の名前叫んじゃって。丸聞こえだったぞ。あ、Aと何かあった？」

この顔、絶対に知っている。ちょくちょく会っていたことも、俺がやらかしたことも。
今までは確信なかったけれど、もうAヌナが好きなのもバレている。
多分、同じようにヒョンもAヌナのこと…

俺とジョンハニヒョンの間には火花。
修羅場の幕開けである。