午前0時、アメリカーノに (ページ28)

今日:4 hit、昨日:7 hit、合計:84,068 hit

待ってるページ28

"「地図のリンク送るから、今からそこにきてほしい。待ってる。」"

最後の"待ってる"はパンチ効いてたな…なんて思いながら、ジョンハンが指定した場所へと向かった。
何となく想像は出来ていたけど、人気があまりないビルの並びという感じ。

『ここ？』

指定された場所は何も建っていない空き地だった。もしかして間違えた？
もう一度確認しようと地図アプリを開こうとしたら丁度ジョンハンから電話がかかってきた。

JH「後ろ。」

『え？』

言われた通り後ろを向くと、ジョンハンがいた。

『ここって…』

JH「ああ、会えればどこでも良かったから何となくここにしただけ。」

『なるほど。』

JH「ん。」

『…なにこれ。』

紙袋の中には立派に包装された箱。
開けろと促されて中身を見てみると、1枚のスカーフが出てきた。
ラベンダーに近い綺麗な紫だ。

JH「大きいから、リボンにもなると思う。頭にも巻けるし。」

『ありがとう。でもどうして？』

JH「なんとなくだよ。」

『はあ…。』

全く意味がわからないけれどすごくかわいいから嬉しくて早速付けみることにした。

JH「うん。やっぱり似合ってるよ。」

『ありがとう。』

JH「じゃあ行こっか。」

『どこに？』

JH「デートに！」

『…デート！？』

これを渡すだけだと思っていたのに。ジョンハンはイエスかノーか聞く以前に、躊躇う私を無理やり引っ張って歩き出した。

『デートって、どこに？』

JH「Aはどこに行きたい？」

『無計画なのね…。』

JH「下手に人の多いところにも入れないしなあ。」

『そっか。じゃあその辺を歩くのが無難かと。』

いや、なんで私もその気になって答えちゃっているんだ。

JH「ですよねー。」

振りほどくことが出来ないままとりあえず散歩コース確定となり、本当にその辺を話しながら歩いていた。
退勤からそのまま来たから元来た道を戻ると段々と会社に近づいて、また別の方向へと曲がるとあのカフェにも近づいて行った。

何だか嫌な予感がする…。
あの男が周辺にいないといいのだけれど。
ジョンハンが寄りたいなんて言いませんように…

JH「あ、カフェあるじゃん。寄ろうよ。」

畜生！