午前0時、アメリカーノに (ページ15)

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逃げられてばっかりページ15

テヨンの言う通り、アイドルと恋愛なんて御法度だ。わかってる。
撮影をお願いした相手が知り合いで、それもミンギュで少し浮かれてた。
これは仕事。初めて企画が通った大切な仕事。しっかりしなきゃ。
と、思っていたのに…

JH「Aさん、これあげる。」

スタジオとプレスルームを行き来している最中、プレスルームにやって来たハニさんが差し出したのは電話番号が書いてある何かのレシート。

『これ…貰えません！』

JH「どうして？」

『どうしてもこうもないですよ！電話番号なんて受け取れるわけないじゃないですか！ダメですって！こういうの！』

JH「あー大丈夫、この業界じゃみんなこっそりやってたりするから。」

『そういう問題じゃ……！』

JH「なんだよもう、俺だけ逃げられてばっかり。あーあ！悲しいなあ。」

どうして被害者ぶるのよ。
まるで私が酷いことをしているみたいじゃない。
ハニさんのせいで何故か良心が抉られる。

『声が大きいですよ！他の人に聞こえたらどうするんですか！』

JH「あんたもね。」

『だって、そういうのは本当に…』

JH「…ふーん。お堅い人だね。あのね、今日の俺は結構親切な方なんだよ。気に入った人にしかこんなに接したりしないし普段はもっと無愛想。」

『自分で言いますか？』

JH「アイドルだから。素のままでいていい職業じゃないし。」

『はあ。』

JH「さっきあんなこと言ってからなんだけど、とりあえず最初は友だちとして。ただ仲良くなりたいだけだよ。それならいいでしょ？ほら受け取って。」

『え。あ、ちょっと！』

ハニさんは無理やり紙を押し付けて満足げに笑を浮かべまた楽屋に戻っていった。
なんとまあ、またとんでもない爆弾を受け取ってしまった。どうしていいかわからず、すぐさまポケットに隠した。