午前0時、アメリカーノに (ページ14)

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御法度ページ14

TY「お前、何か隠してるだろ。」

鬼の形相、仁王立ち、腕を組んでいる。
テヨンはいかにも怒っている様子だ。

『隠してる、って？』

TY「そのまんまだよアホ。ジョンハンさんには逃げてばっかりなくせにミンギュさんとは随分親しげで。」

『うっ』

TY「誰にも言わないから、教えて？俺のこと信用できない？」

『そんなこと！……ないけれど。』

TY「ないけれど？」

さっきまで鬼の形相だったテヨンはキリッと横に大きな目を垂れさせて子犬みたいな顔をする。
食堂のおばちゃんや居酒屋のお姉さん、取引先の人によくやる顔なのだ。

『…あのね、2、3週間ぐらい前にカフェでミンギュさんと知り合ったの。知り合ったっていうか…私が座って寝落ちしてたらコーヒーが冷めちゃってそれに気づいたミンギュさんが新しいもの買ってくれて…』

経緯があまりにも恥ずかしいものだからだんだんと早口になった。
前にテヨンに別れたことを話したら"Aちゃんかわいそうですね～、よしよし"なんて言われたものだから。

TY「本当に？」

『うん。』

TY「本当にそれだけ？」

『うん。』

TY「他に何も起きてないな？」

『ないよ！しつこいな！そんなに信用できないならミンギュさんにも聞く！？』

TY「いやいいよ。でもお前、アホだしボケ～っとしてること多いから気をつけろよ。気づいたら好きになってました、なんてならないようにな。」

『…はっ！？』

TY「さっきも言ったけど、アイドルと恋愛なんて御法度だぞ。」

『わ、わかってるよ！余計なお世話！』

心を読まれていたような気がして背中がゾワっとした。
これは、ハニさんよりもテヨンに気をつけなきゃいけないかもしれない。

『私は大丈夫。そんなことになったらテヨンにも迷惑かかっちゃうもん。ね？』

TY「別に俺はどうなっても…お前が…」

『私が？』

TY「…だあー！もういい！ほら仕事に戻るぞ！！」

『……うん？』

テヨンに強く背中を押されてスタジオに戻った。
何か不満げなテヨンの顔がどうして赤くなっているのか不思議だった。