【ヒプマイ】オートマタ・イストリア -8章- 貴方の価値観を壊したい

398話 私の頭はどうしたのだ！！？ ページ7

｢はいっ、これで終わりましたよ｣

『ありがとうございます！』


勘違いされたまま帯が結び終われば姿見の前に立ち、生まれ変わった様な自分を瞬きを忘れ見入る
嬉しさで口角が上がりクルクル回りながら愉悦に浸っていると、ナカイさんが女性の絵が描かれた小冊子を持ってきた


｢こちら、浴衣の着方が書かれております。もし着崩れが起きてしまった場合、こちらをご覧になってお結び直して下さい｣

『すみません何から何まで……凄く助かります！』

｢ではお連れ様もお待ちになられている筈ですので、素敵な姿をお見せになって下さい｣

『はい！お忙しい中ありがとうございました！！』


ナカイさんと話しながら結び方は穴が空くほど見ていたので、この冊子があればもう心配はない。ナカイさんの優しさに感謝しながら受け取り脱衣所を後にした





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暖簾をくぐりお土産屋や露店などで賑わっている広場まで進むと、奥の方に着替え終わった皆が仲良く横一列に並んだ長椅子に座り談笑しているのが目に入った

MTCの3人は白の折り鶴が描かれた紺色の浴衣で、麻天狼の3人はそれの色違いで灰色の浴衣を纏っていた
アロハシャツ、スーツ、軍服など服装が基本決まっている皆が浴衣を着ると、大分印象が変わり思わず見蕩れてしまう

えっ、なんだろ、そんなに開けてないのに胸元から色気を感じる。ってか皆めっちゃ仲良くなってるぅっ

目の前の輝かしい光景に感情が昂り、口元がだらしなく緩んだので慌てて口を抑える
すると、ちょっと暑かったのか独歩さんが襟をパタパタ扇いだので、より色気が増し目がやられ次は目を抑え天を仰ぐ

忙しない私の奇行に通り過ぎる人達は、怪訝な目を向けているが気にしない。いや気にしたら負けだ


ふぅ……。と深呼吸をしてポーカーフェイスを一生懸命作っていると、私に気付いた寂雷さんがふんわりと目を細め艶めかしく手招きをした


ちょっと待て、その仕草すら色気を感じるなんて私の頭はおかしくなっているっ！！


逃げる様に俯くと再び顔を手で覆い悶える
あぁもうこれ寂雷さんに見られてるけど仕方がないっ！色気がありすぎる皆が悪いっ！！

そう責任転嫁しながら頑張ってポーカーフェイスを完成させ、落ち着いた所で顔を上げるといつの間にか皆が私を囲む様に立っていた

気の所為か皆心配そうに眉を落としている


あの距離でも目が焼かれる様な眩しさを放ってたのに、急に近付かれると目が蒸発しそうだっっ！！堪えろ私の口角ッッ！！

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