【ヒプマイ】オートマタ・イストリア -8章- 貴方の価値観を壊したい

397話 これはなんて説明すれば…… ページ6

素敵な花言葉を身に纏うんだな……
そう考えると胸の高鳴りが一層強くなる


ふと、素朴な疑問が浮かんだ


『花って全部に花言葉あるんですか？』

｢はい。種類だけじゃなく色によっても変わるので、大切な方に花をプレゼントをする際は調べて贈ると、より気持ちを伝えられると思いますよ｣

『そうなんですね！』


お淑やかな笑みで説明をしてくれた
なるほど。全てにあるのか……

__ん？

じゃあ銃兎さんがくれたカランコエもあるって事だよね……？理鶯さんも銃兎さんらしいって言ってたし、花言葉で選んだって事？


花言葉を知っていいモノなのか不安だけど、それでも気になるのでゴクリと唾を飲み込んでから知ってるか尋ねてみた


『あの、知り合いからカランコエという花のペンダントを頂いたんですけど、それの花言葉って知ってます？』


ナカイさんは浴衣の紐を括りながら｢カランコエ……｣と考える様に呟くと、ハッ、と息を吸った。そして ふふっ、と笑を零した


『え、あの……？』

｢贈られた方はお客様の事を大切に思っているのですね

うーんそうですねぇ……これは私の口から言っていいモノなのでしょうか……｣


2箇所紐を結び終わると口を優しく弧を描いて考える素振りを見せるナカイさん。その言い方と笑顔だと悪い意味じゃ無さそうだ


｢お客様がスマホでお調べになられては如何でしょうか？｣

『あ、そうですね！ネットで調べれば良かったですね！』


後は帯を結べば終わりなのだが、花言葉が気になるので先にロッカーからスマホを取り出す。検索アプリで調べてみると簡単に答えが出てきて、温泉に上がった筈なのにぶわぁと顔全体が熱くなってきた


｢ふふっ、彼氏さんからのプレゼントなんですか？｣

『か、彼氏！！？いや、そんな、ち、違っ、

で、でも私の大切な人です……っ』


ただでさえ嬉しすぎて頭が回ってないのに、ナカイさんがトンデモ発言をしたので、言葉が詰まりまくる

彼氏って“恋人の男性”という意味なのは知っている。つまり、生涯共に過ごす事を誓った存在

本で見た 幸せに暮らした姫と王子様の様な関係性というふわっとしたモノしか知らないが、確実に銃兎さんとはそういう関係では無いので顔が赤いまま否定をする

だが、それは余計に勘違いを助長させてしまいナカイさんは手を口に当て上品に笑っていた




__家族、恋人、友達、親友。外の人は関係性に名前をつけている
私は皆大好きだ。
でもこの関係性は何と言えばいいんだろう……？

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