436話 聞き方が怖いんです!! ページ45
「あっ……その……僕は海波って言います……アハハ……」
機械に隠れていたのは海波だった。笑ってはいるが頬にかすり傷が付いていた
現れた人物に理鶯はコテンと首を傾げ不思議そうに口を開いた
「海波……?A、いつから男装の趣味に目覚めたのだ?」
「だ、だから!僕はAじゃない!」
心配そうに眉を落とす理鶯に海波は距離をとりながら訴える
海波と名乗った瞬間、寂雷 左馬刻 銃兎は怪訝な表情を浮かべるが独歩だけは何か知っている様で瞳を大きく揺らしていた
「と、兎に角!無事合流出来たなら良かった!じゃあさよなら!!」
慌てた様子の海波はそそくさとこの場を去ろうとするが、左馬刻と銃兎がそれを許さない
それぞれの手を海波の両肩に置き、ニヤリと意地の悪い笑みを向けた
その悪魔の表情に海波は「ヒィ……」と短い悲鳴を上げる
「なぁ理鶯ォ……コイツ本当にAなのか?」
「その筈なのだが……」
「だから違うって!」
「私、警官なんですが……何か身分を証明出来る物を持っていませんか?免許証でも何でもいいので」
「えっと……それは……」
「怪しいですねぇ?それでは事情聴取をしなければなりません。まぁ貴女が持っていたとしても、ここで事件がありましたのでしますが」
「それはそこの一二三さんに聞くのが1番じゃないかな……?僕はただの通行人Aあたりのモブなんで……」
「往生際悪ぃじゃねぇかA。早く吐いちまった方が楽になんぜ?」
「だーかーら!!違うって――」
「もしかして……僕の為にあの時から演じてくれてたのかい?」
頑なに認めない海波に歩み寄る一二三。その表情は悔しさや心配が混じった複雑なモノだった
それでも真っ直ぐと見つめる双眸に観念した海波――――いや、Aは声を元に戻しウィッグを外した
『だって……これがあったらまた一二三さんがトラブルに巻き込まれても助けに行ける……って』
「っ……ありがとうAさん……。君の優しさ、とても嬉しいよ。ごめんね、何も出来なくて……」
『大丈夫ですよ!無事で良かったです!』
「喜ぶのはいいですが、先ずは旅館に戻り治療しましょう。この方も気を失っているので救急車を呼ばないと」
「それ含め諸々は私がやりましょう。皆さんは先に戻って下さい。こういうのは警官である私が行った方がスムーズに行くと思いますので」
銃兎はスマホを取り出すと119へ電話をし、それを見た6人は言われた通りに旅館へと足を進ませた
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にゃんこ(プロフ) - はい。楽しみにしています。 (2021年8月8日 14時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 了解しました!確実に出す予定なのでそれまでお待ち下さい!! (2021年8月8日 12時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 予定でしたら大丈夫です。無理はしないで下さい。焦らずゆっくりでいいです。 (2021年8月8日 10時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 予定はあるんですが、まだ第一回のディビジョンバトルも終わっていないので、結構後になってしまいます!申し訳ありません!! (2021年8月8日 9時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 私も遅くなってすみません。大阪と名古屋の絡みはありますか? (2021年8月8日 7時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年7月11日 23時