428話 な、なんで……そこまで…… ページ37
「A、小官達はいつ戻れるか分からない。この店を出て近くのベンチで待ってくれるか?」
『あ、はい……!』
「見つけ次第連絡しますので変な人について行かないで下さいよ」
『勿論です!』
女である私はジャケット無しの一二三さんに近づく事が出来ないので、店を出て目の前にあるベンチで待機する事になった
他の皆はバラバラの方角で一二三さんを探しに走り出す
私も探しに行けないもどかしさを感じながらそれぞれの背中を見送り 見えなくなるとため息を着きながらベンチに身を預ける
――大丈夫。“最終手段を使うのはまだ早い”
5人もいるんだ、きっと直ぐに見つかると自分に言い聞かせていると、見知らぬ男性が右隣に座った
沢山って程でもないけど空席のベンチが他にもあるのに、敢えて私の隣に座る事に不気味さを感じつつチラッと気付かれない様に視線だけ向ける
「よォ嬢ちゃん」
気づいたのか否か、ニヤリと不敵な笑みで私に話しかける男は、濃い赤色の服に高級そうなモフモフのコートを羽織っており、目が見えないくらい濃いサングラスをかけていた
どっからどう見ても危ない人にしか見えない
「はっはっはっ、凄く警戒してんじゃねぇかぁ。オジサンそんな悪い奴じゃないぜ?」
『知らない人にはついて行かないってさっき約束しました』
「安心しろ、おいちゃんは誘拐犯じゃねぇからな。ただ、嬢ちゃんと喋りたかっただけだ」
腹の底が読めない男に警戒をし、見えない様に左手でスマホを取り出すと「止めとけ」と低い声に気圧された
「今は金髪の兄ちゃんを探してんだろ?邪魔しちゃいけねぇよ」
『っ……!?』
今会ったばかりなのになんで私達の状況を知ってるの……?益々深まる猜疑心。危険人物だと本能が警告の鐘を鳴らす
『目的はなんですか』
怯んだら相手の思う壷だと虚勢を張るが、未だに余裕な笑みを浮かべている
「だから言ってんじゃねぇか。お前さんと喋りたいだけだって」
『だからその目的は?初対面なのに話す事あるんですか?』
「おー怖い怖い。そんな冷たい態度オジサン泣いちゃうぜ?」
『怪しい人物には警戒心を強く持てと教えられてるので』
「へぇ…。あの元軍人、いい教育してんじゃねぇか」
全てを見透かしている言葉に動揺し目を見開いてしまう。なんで、そこまで知って……
「どうだA、逃げ出せた外はお前さんの思う世界だったか?」
サングラスの上から見えたオッドアイの瞳は私の奥の奥まで射抜いていた
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にゃんこ(プロフ) - はい。楽しみにしています。 (2021年8月8日 14時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 了解しました!確実に出す予定なのでそれまでお待ち下さい!! (2021年8月8日 12時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 予定でしたら大丈夫です。無理はしないで下さい。焦らずゆっくりでいいです。 (2021年8月8日 10時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 予定はあるんですが、まだ第一回のディビジョンバトルも終わっていないので、結構後になってしまいます!申し訳ありません!! (2021年8月8日 9時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 私も遅くなってすみません。大阪と名古屋の絡みはありますか? (2021年8月8日 7時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年7月11日 23時