【ヒプマイ】オートマタ・イストリア -8章- 貴方の価値観を壊したい

420話 こ、ここが温泉街！！ ページ29

『大変申し訳ありませんでしたぁぁあああッッ！！！』



あれから朝御飯の時間となり、オカミさんに案内され昨日と同じ部屋に来た私達。戸を開けると既に麻天狼の方々が座って待っていたので直ぐにスライディング土下座をぶちかました

突然の事で麻天狼の3人は呆気に取られ、左馬刻さんと銃兎さんには笑われ、理鶯さんからは普通に動画を撮られていた。この際動画はもういい……。


｢仔猫ちゃん？一体何に謝っているんだい？｣

『昨日は酔った勢いでご無礼を働き、皆様に多大なる迷惑を――』

｢ふふっ、我々は気にしていませんよ。とても興味深い物を見れたので良かったです｣

『きょ、興味深い……？』

｢お、俺が酒に酔ったらあれくらいじゃ済まないから、まだAさんのは可愛いもんだよ。だから大丈夫｣

｢さて、食事が用意されていますから食べましょう皆さん｣


あんな事をしたのに誰も怒らず何事も無かったかの様に話が進んでいく。てっきり邪険に扱われるって思ってたから拍子抜けし、目をパチクリ瞬きする

｢おらさっさと座れよ｣と左馬刻さんに腕を引っ張られ、昨日と同じ席に座らされた。そして、そのまま皆と朝御飯を済ませた





・





部屋に戻り各々温泉街に出かける準備を済ませると、左馬刻さんが部屋の電話で旅館の人に出かけるという旨を伝える。そのあと、麻天狼の3人と合流し温泉街へと足を運ばせた


来た所は飲食店、土産店等が密集して建ち並び、私達と同じ旅館の浴衣を着た人達が仲良く買い物を楽しんでおり、大変賑わっていた


『凄い人が多いですねぇ』

｢人気の温泉街ですからねぇ、学生さんもいますし修学旅行とかですかね｣

｢つーか、浴衣着てんのにリュック背負ってんのかよ｣

｢備えあれば憂いなし、ですからね！｣

｢独歩君！彼処に木刀が売ってるよ！｣

｢何で数ある中でそれに食いつくんだよっ！そんなのノリで買って後悔する物No.1じゃないか！｣


凄く賑わってて楽しいところだなぁ……。と眺めていると大事なことを思い出した。
理鶯さん人混み苦手じゃないか！！

勢い良く理鶯さんの方に顔を向けるとやはり苦手なのか、僅かに眉間に皺を寄せ周りを警戒していた


『り、理鶯さん……大丈夫ですか？』

｢すまない、また気を遣わせてしまったな。少し警戒してしまうが、楽しめない訳では無い。貴女は小官の事は気にせず楽しむといい｣


不安げに様子を窺うと大きな手で頭を撫で微笑んだ理鶯さん。『はい！』と元気に返事をした

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