【ヒプマイ】オートマタ・イストリア -8章- 貴方の価値観を壊したい

418話 だから違うんですってぇ…… ページ27

チラッと片目を開けて見ると、見慣れた凛々しいお顔が覗き込んでいた。目が合えば｢おはようA｣と薄氷色の瞳を細める


あ……、私、この様な方の頬にキスをしたのか……？罪が重すぎません……！？


罪悪感に駆られた私は挨拶し返す事も無く布団に潜り込んだ。その奇行に｢どうしたのだ？｣と、戸惑いの声を出していたが気にしない


｢ふぁあ……。ンだよォ……何かあったのか理鶯｣

｢何故かAが布団の中に入り込んでしまったのだ｣

｢んぅ……。まだ寝足りないんでしょうか……？｣


理鶯さんの声でなのか2人も起きた様だ。ゴソゴソと音が聞こえるから起き上がってるのか、上半身を起こしたのか

ま、私はそれでも起きないですがねっ。正しくは起きれない、ですが


｢A、2人も起きたぞ？｣

｢まだ眠てぇのか？ってか理鶯、何でいつもの服に着替えてんだよ｣

｢む？あぁ、さっきまでトレーニングをしていたからな。旅行と言えど怠ると、体が鈍ってしまう｣

｢流石理鶯、ストイックですねぇ……。ところで、いつまで寝てるんですかAさん｣


起きなきゃいけないのは分かっているんです。でも、昨日の事があるから皆の顔を見れないと言いますか、ってか何であんな事したんだろぉ……っ！！


｢まだ酒が抜けてねぇかァ？甘えん坊が続いてるんでちゅかねぇ？｣

｢昨日は寝るまで甘えてましたねぇ……。手を握ってて欲しいとか、撫でて欲しいとか｣


愉快そうに銃兎さんは言っているが、私の記憶にそんなの無いんですが……！？え、マジで？切腹ものじゃないですか！？


｢小官が席を外す時は涙目になって傍にいて欲しい、とも言われたな｣

『大変申し訳ありませんでしたぁぁああっ！！』


記憶には全くないが、酒は記憶を飛ばす事もあるって書いてたし事実なのだろうと結論付けた私は、掛け布団を吹っ飛ばし綺麗な土下座を決めた

3人は｢あ、起きた｣と呟いていたが気にせず弁解を続ける


『酔いと言う物を深く理解しておらず皆様に多大なる御迷惑をお掛けして申し訳ありません！あの行為は決して普段そうしたいとかそんなんじゃなく__』
｢わぁーったから朝から声でけぇよ｣


必死に弁解をしている最中なのに、左馬刻さんはニヤニヤしながら私の頭に手をポンと置いた


｢いつもあんな感じに甘えていいんだぜ？｣

｢あぁそうだな。我慢しているのなら正直に言ってくれると小官はいつでもするぞ｣

『だから違うんですってぇ……』

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