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414話 誰か抱きしめて欲しい…… ページ23

「神宮寺先生の考察が正しければ、Aさんは本来甘えたがり、という事でしょうか」

「可能性はあります
他者と触れ合った事でマナーやルールを学び、今の礼儀正しい性格になりましたが、心の底ではこうした願望を抱いてるのでしょうね」

「はぁ……。気を遣うなって口酸っぱく言ってるが、それでも遠慮しちまうのかよ」


事情を知っている左馬刻達は悲愴な面持ちで隣の銃兎に抱きついているAを見た。因みに全員が納得する案として、Aは代わり番こで抱きついている


『ふふ……銃兎さぁん』

「どうしましたか?」

『頭撫でてください』

「仕方ないですねぇ」


言葉ではそう言っても表情はとても嬉しそうに口角を上げている。悪徳警官が型なしじゃねぇかと、隣の左馬刻は鼻で笑った


「遠慮しがちという事は、仔猫ちゃんは過去に何かあったんですか?先生」


唯一、彼女の正体を知らない一二三は至極当然な質問を投げかけた。顔に出やすい独歩は瞳を揺らしながら周りを見、残りの4人は僅かに視線を落とした


「我々も詳しくは知りませんが、彼女は昔、大人達に酷い仕打ちを受け続け育っているんです。なので、自己肯定力も低く、大人しい性格なんですよ」


隠すべき所は隠し、嘘ではない事を上手く説明した寂雷。「そうだったんですね……」と親からの虐待と解釈した一二三は、悲しみの光を帯びた金色の双眸をAに向けた


「段々と心は開いてくれているが、まだまだ、という事か……」

「もう大人だから、という考えもあり余計に抑えているのかもしれませんね。この旅行ではその遠慮を捨て去ってくれたらいいんですがね……」


「では理鶯」と猫をパスする様にAを抱き上げ理鶯に渡すと、Aはその大きな体を抱きしめ嬉しそうな声で彼の名を呼んだ


『次は理鶯さんだぁ……』

「今日はいつにも増して甘えん坊だな」

『甘えるのはダメ……?』

「そうではない。寧ろ嬉しいぞ」


いつもとは違う彼女に多少の動揺はあるが、それでも彼女は彼女。愛しい事に変わりはないので慈愛の眼差しで見つめると、彼女の顔が近づいてきた


___チュッ。


少し不器用なリップ音が部屋に響き、時が止まった。男達全員固まり状況把握するべく脳がフル回転する

何があった?何が行われた?

頬に柔らかい感触がしたと後で認識した理鶯は、やっと自分の頬にAがキスをしたと判断し、残りの男達も遅れながら理解した。そして___


「「ハァァアアアアッ!!!?」」

415話 えへへ……ふわふわぁ……→←413話 寂しいんです……



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にゃんこ(プロフ) - はい。楽しみにしています。 (2021年8月8日 14時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 了解しました!確実に出す予定なのでそれまでお待ち下さい!! (2021年8月8日 12時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 予定でしたら大丈夫です。無理はしないで下さい。焦らずゆっくりでいいです。 (2021年8月8日 10時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 予定はあるんですが、まだ第一回のディビジョンバトルも終わっていないので、結構後になってしまいます!申し訳ありません!! (2021年8月8日 9時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 私も遅くなってすみません。大阪と名古屋の絡みはありますか? (2021年8月8日 7時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2021年7月11日 23時

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