393話 はい!分かってますよ! ページ2
懐かしみながら過去の話をしていると段々と感情が顔に現れ、クワッ!と目を開きながら左馬刻は話を続ける
「その時に言われたんだよ……俺と銃兎は酒が弱いのか?ってな!!
俺様頭に来てよッ!そこから週一ペースでどっちが酒に強ぇか勝負したんだよォ!」
『体大丈夫だったんですか……?そ、それで左馬刻さん勝てたんですか?』
「全敗した……」
げんなりと肩を落とした左馬刻。あの時の胃の中の物が迫り上がる感覚が蘇り、その表情は青く見えた
その背中をAが励ますようにタオルで摩る
「暫くは酒は飲みたくねぇくらいに完敗した。まぁでも、それのおかげでアイツも段々打ち解けてきたし良しとしてる。勝負は二度としたくねぇが」
ハハッ、と白い歯を見せ苦笑いをする。釣られるようにAも困ったように笑い『結果オーライでしたけど、体に毒ですからダメなんですよ?』と注意した
「身をもって知ったっつーの
んでその後にアイツの料理食ったり、俺らの仕事の手伝いをしたりで、今みたいな仲になったな」
『なるほど……本来なら混じり合う事の無かった3人なのに導かれる様に出会い、今に至ったんですね』
「俺らに裏切りは無し、MTCはもうアイツら以外ありえねぇ……」
鋭く細める目だが、その赤き瞳には仲間を信頼した温かい光があった
__心から信頼してるんだなぁ
鏡からでも感じ取ったAは羨むように心の中で呟く
「お前もだからな、A」
『へ?』
「へ?じゃねぇよダボッ!お前も裏切りは無しだからな!」
『いてっ!』
呆けた返事に不機嫌になった左馬刻は上半身を捻りAに軽いチョップの制裁を加える。痛くはないが反射的に声を上げ、泡の着いた手で頭をさすったAの表情は、不思議そうに目をパチクリとさせている
「前も言ったが、勝手に俺様の前から居なくなるんじゃねぇぞ……。それは俺様に対する__いや、俺らに対する裏切りだからな」
『分かってますよっ!皆さんとずっと一緒に居ますよっ!!』
先程前の2人に注意された記憶は何処へやら、必要としてくれる事に嬉しさを感じるあまり躊躇いなく、細くだがしっかりとした
「バッ!!?て、テメェ!急に抱き着くんじゃねぇッ!」
左馬刻の理性が即座に黄色信号を発令し引き剥がすと、注意された事を思い出したAは両手を口に当ててやってしまった、と息を引き切る
左馬刻は心の中でよく耐えたと銃兎と同じく、自分を賞賛した
394話 えぇ!?なんで走るんですか!?→←392話 皆さんの昔話はとても興味があります!!
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にゃんこ(プロフ) - はい。楽しみにしています。 (2021年8月8日 14時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 了解しました!確実に出す予定なのでそれまでお待ち下さい!! (2021年8月8日 12時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 予定でしたら大丈夫です。無理はしないで下さい。焦らずゆっくりでいいです。 (2021年8月8日 10時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» 予定はあるんですが、まだ第一回のディビジョンバトルも終わっていないので、結構後になってしまいます!申し訳ありません!! (2021年8月8日 9時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 私も遅くなってすみません。大阪と名古屋の絡みはありますか? (2021年8月8日 7時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年7月11日 23時