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244話 会えてよかった ページ50

他愛もない話をしながら食事を済ませると、Aは満足そうに自分のお腹を摩っていた


『美味しかったです〜』


だらしない表情だが、それでも可愛らしいと思うのは溺愛しすぎなのだろうか。まじまじと見ていれば、Aは顔を赤らめ困った様に笑う


『な、何でしょうか…?』

「お前の表情見てると腕に縒りを掛けて作ったかいがあったなってな」

『え、どんな顔してました!?』

「顔の筋肉が溶けてるんじゃねぇかってくらい締まらない表情だな」


頬杖をつき揶揄う様に薄ら笑いを浮かべると、ムッとした表情で拗ね始めたのでハハッと笑いながら頭を撫でて謝る


「悪ぃ悪ぃ拗ねんなって」

『やはり理鶯さんに見習ってポーカーフェイスを極めなければです……』

「そんだけ表情豊かな方が可愛いぜ?Aチャンよ。男は度胸女は愛嬌ってな」

『表情豊か……ですか…』


Aは両手で自分の頬を触りポツリと呟く。何を思っているのか口角が上がっていた


「どうした?」

『いえ、皆さんに会ってから本当に笑う事が多くなったなって……』

「確かにそうだな。最初の時はそんなゆるゆるな表情なんてしてなかったもんな」

『むっ……』

「……なぁA───俺達に会えてよかったか……?」

『えっ……?』


Aの笑顔を見てるといつも思う。
いつかコイツも合歓みてぇに俺の元から居なくなるんじゃねぇかって。あれだけ笑いあってた筈の一郎や簓も俺を裏切り離れて行った……

───ならコイツも……

不安だからこそ突拍子も無くこんな事を聞いてしまった


神妙な表情の俺に戸惑ってるのか青い目が丸く見開いていたが、俺は話を続ける


「俺様はヤクザだ。色んな奴を殺してるから恨まれてる。俺とつるんでると巻き込まれるかもしれねぇ……。もし施設の時みてぇに酷ぇ目にあっても……───俺達に会えてよかったって言ってくれるか……?」


情けねぇ事を聞いてると思ってる。ハマの王様が聞いて呆れるな……

Aは何も言わず立ち上がると俺に近づいてきた。その顔は真剣で何を考えてるか読み取れない


「A……?」

『私は───』


Aは俺を包み込む様に優しく抱き締めた。とても距離が近くAの鼓動と体温が心地よく感じる
あぁ……誰かにこうされるのはいつぶりだろうか……


『今日、銃兎さんと理鶯さんにこう抱き締められた時ずっと居たい、離れたくないって思いました。
───だから何があっても会えてよかったって言いますよッ!!』

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刹那(プロフ) - 尊いさん» 尊いさん読んでくださりありがとうございます!!良かったと言って下さり凄く嬉しいです!次の章は全力制作中なのでもう暫くお待ちください!! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
尊い - めっちゃ良かったです!!続き楽しみに待ってます! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 8a111ea7de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月30日 12時

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