検索窓
今日:6 hit、昨日:52 hit、合計:119,977 hit

240話 何故お腹がすいたらこんな音が……っ!!? ページ46

グゥー……


テレビもつけていない静寂に包まれた空間。横から情けない音が鮮明に届く
音の出処に目を向けると、顔を赤くしながら揺れる青い瞳だけが此方を見ていた。その様子は音が聞こえたかどうかを窺っている様だ


態とらしくニヤリと口角を上げ揶揄うと、何も言ってねぇのに『違うんです!違うんです!』と汗を飛ばす勢いで否定してきたから思わず吹き出した


「プッ、ハハハッ!さっさと飯用意しろってか?お前のお腹は正直だなぁ!椅子に座って待ってろ」

『いや!これはアレですよ!急かしてる訳じゃなくて胃の中が活発なだけです!!』


グゥー!


今も尚必死に訴えていたが、より大きい音で再びお腹が鳴ったから諦めたらしい。顔を隠す様に縮こまり『空きました……』と正直に吐いた


「ンじゃテレビでも見て時間潰してろ。直ぐに作って来っからよ」


Aの頭を軽く撫で椅子に座る様に促した後、キッチンに向かい料理を始めた。
折角Aが来たんだ。普通の食卓がどんなんかを教えねぇとな


扱い慣れた包丁で手際良く材料を切っていき、ボウルに移す。いつもは料理なんざ面倒で体が重いが今日は心なしか軽い


LDKタイプだから作ってる最中でも顔を上げるとAの様子がよく見える。アイツは俺の言う通りに椅子に座って興味津々にテレビを見ていた

椅子が高い所為で両足がプランプランと振り子みてぇに揺れている姿は、まるでまだかまだかとご飯を待ちわびている子供



あどけない姿を見ていると、ベースに向かう途中罠を撤去している理鶯との会話を思い出した




___

__

_





「左馬刻、いつ彼女に施設の事を伝えるのだ?」


理鶯は顔を撤去している罠に向けながら切り出した


「左馬刻の事だ、発見時は博士が死んでいる可能性の方が高いと判断し悲しませない為に言う事を躊躇っていたのだろう?」

「あぁ、だが博士らしき奴は見かけたし施設の蛆虫共はあん中に居なかった……だから言っていいと思ってんだが……。アイツに言っちまったら1人で解決しようとしちまう気がしてよ……」

「それは小官も同感だ。彼女は何でも1人で抱え込んで解決しようとしてしまう……。だからこそ彼女には得た情報は全て伝えて欲しいと念を押している」

「ならこっちも言わねぇとフェアじゃねぇな……」


罠を撤去し終わった理鶯は此方を向いて静かに頷く。その蒼い目からは、どんな事があろうとも護らんとする意志の強さを感じた


「なら今日、俺様が伝えるわ」

「了解した」

241話 イマイチ伝えたい事がわからないです……→←239話 人類の英智はここまで来た……!?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
128人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

刹那(プロフ) - 尊いさん» 尊いさん読んでくださりありがとうございます!!良かったと言って下さり凄く嬉しいです!次の章は全力制作中なのでもう暫くお待ちください!! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
尊い - めっちゃ良かったです!!続き楽しみに待ってます! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 8a111ea7de (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月30日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。