228話 正体を知ったとしても ページ34
───Aが二郎を治療していた頃
無事に二郎が罠から抜け出す事が出来て安心しホッと息をつく
まさか俺の知らない所で二郎も無茶してるとは……気づかないなんて兄失格だな…
敵とはいえ助け出してくれた毒島さんに改めて礼を言う
｢毒島さん、ありがとうございます｣
｢礼には及ばない。よかったな、比較的安全な罠で｣
｢はい…｣
｢一兄……その、すみませんでした…｣
｢大丈夫だ、俺の為にしてくれたんだろ？お前らに無理をさせちまって悪かった｣
｢一兄……｣
話を戻す様に入間さんは咳払いをしたので、意識を2人へ向ける
｢これで分かったでしょう？もうAに関わらないで下さい｣
｢それなんすけど……もう俺らはAさんの正体を知っちまったし、中王区と関係が無いって分かればこれ以上嗅ぎ回る必要もねぇ。───だから普通に友達として関わっちゃダメっすか？｣
何故2人にこんな事を頼んでるのか分からない。彼女の何かに惹かれたのか……
俺の頼みに入間さんは不愉快そうに眉間に皺を寄せ眼鏡のブリッチを軽く押し上げる
｢今の話聞いていませんでしたか？｣
｢勿論聞いてます、けどそれを承知の上でAさんと仲良くしたいんすよ｣
ガチャと突然扉が開く音がした
お客さんかと思い2人に対応するから待ってて欲しいと断りを入れてから立ち上がる
すると玄関の方からタタタッと忙しなく軽い足音と共にシュウが此方に走ってきた。幼稚園から帰ってきたのだろうか、制服を身に纏い黄色のバックを掛けている
｢お兄ちゃん！｣
｢おぉシュウか！どうした急に｣
俺の足元まで走ってきたので抱き上げると、慌てた様子の母親がやってきた
｢シュウ！勝手に上がり込んじゃダメよ！すみません一郎さん……｣
｢全然いいっすよ、子供は元気が一番っすから｣
｢あ！軍人のお兄ちゃんと警察のお兄ちゃんだ！！｣
シュウは母親の声なんて聞こえてないらしく、2人に気付いて手を振って挨拶をした。入間さんは人当たりの良さそうな笑顔を振りまき、毒島さんは僅かに微笑んで挨拶を返す
｢あ、先客がいたんですね。すみません…お邪魔ですよね？｣
｢あぁ気にしないで下さい、何か用事があってきたんでしょう？｣
｢それならば小官達は席を外した方が良さそうだな｣
｢いえ！直ぐに帰りますので！──ほら！シュウ！お兄ちゃん達に渡したいものがあるんでしょ？｣
渡したい物？
首を傾げつつもシュウを下ろしてやると、バックから何かを取りだした
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刹那(プロフ) - 尊いさん» 尊いさん読んでくださりありがとうございます！！良かったと言って下さり凄く嬉しいです！次の章は全力制作中なのでもう暫くお待ちください！！ (2021年4月25日 22時) (
レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
尊い - めっちゃ良かったです！！続き楽しみに待ってます！ (2021年4月25日 22時) (レス) id: 8a111ea7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2021年3月30日 12時
