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223話 焼き魚から変身できます!! ページ29

『「頂きます!!」』


昼飯が完成すると、俺達は仲良く横に座り手を合わせ、おにぎりにがっついた。おにぎりは兄ちゃんが作る三角ではなく丸いが、しっかりと塩の味がして美味い

まぁ兄ちゃんの方がもっと美味いけどな!

そう言えば兄ちゃん以外の誰かにおにぎりを握ってもらうの初めてだな……と、ぼんやりおにぎりを眺めていたら、隣のAが不安げな表情で俺の顔を覗き込んできた


『もしかして他人が握ったおにぎりって苦手でした……?ちゃんと30秒手を洗いましたし、アルコール消毒もしましたよ…?』


どうやら“食べない=拒絶”と思ったらしい。そんなつもりじゃないのに


「別に苦手じゃねぇよ。つーか徹底過ぎるだろ」

『いえ!調理をする上で衛生面は徹底しなければならない。理鶯さんが言ってました!』

「まぁこういう場所だからそうか……」


次は串に刺された焼き魚を背中の方からかぶりつく
皮がパリパリと鳴り、中までしっかり火が通っていて身はフワフワ。生臭さもなく魚の旨味が凄くあって、悔しいけど兄ちゃんと同じくらい美味い


『味どうです?』

「めっちゃ美味い…」

『良かったです!!』


『じゃあ私も』とAも魚にかぶりつくと『美味しい!』と満足気に笑う


『いや〜まさか人生初の魚釣りでこんなに美味しいものが取れるなんて』

「初めてだったのか?」

『はい!ネットで調べたら釣竿の作り方載ってたので好奇心でやってみたんです。──やっぱり最初はいくら経っても全然釣れなくて……。でも暇で歌を歌ってたら急に入れ食い状態になったんですよ!!』

「それでこの量になったと……」

『あはは……』


ジト目で見る俺と頭を掻いて苦笑いしているAの前には、串に刺された10匹くらいの魚。

いい匂いではあるが、流石の俺でも全部は食べられねぇ


『調子に乗っちゃいました……。でも大丈夫です!さっき理鶯さんに相談したら、余った魚はあら汁とかふりかけにアレンジ可能性らしいので捨てるという事は無いです!』

「へぇーなら無理に食べる必要無いんだな」

『はい!』


おにぎりを食べながらあの軍人の料理知識はすげぇなと関心する。伊達にサバイバル生活してないってか……


『あ、二郎さん』


不意に呼ばれ顔を向けるとAは微笑みながら右手を伸ばした。何だと思ってキョトンとしていたら、俺の口元に米粒が付いていたみたいで、それを取ってくれた


『お米付いてましたよ』


その米は、彼女の口の中へと消えていった

224話 そんな制限付きだとは思わなかったんです!!→←222話 ギュッと握る……あれ…三角にならない……



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刹那(プロフ) - 尊いさん» 尊いさん読んでくださりありがとうございます!!良かったと言って下さり凄く嬉しいです!次の章は全力制作中なのでもう暫くお待ちください!! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
尊い - めっちゃ良かったです!!続き楽しみに待ってます! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 8a111ea7de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月30日 12時

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