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222話 ギュッと握る……あれ…三角にならない…… ページ28

Aは魚を立て終われば別の作業を始めたが、俺は目の前の魚に釘付け。
家でも魚の塩焼きなんてよく出てくるけど、自然の中でしかも焚き火で作る塩焼きって美味そうに見えるな……

火が当たっている面からジュワァ…と脂が溢れ出てきて香ばしい匂いが俺の嗅覚を刺激する

やばい涎と腹の虫が止まらねぇ……


『ふふっ、凄く目が輝いてますよ?』

「べ、別に輝いてねぇし……美味そうとは思ったけど……」


微笑むAに指摘されて、恥ずかしくて素っ気ない態度をとってしまう。つーか耳が熱いし……

誤魔化す様に顔を逸らすと、Aはまたクスっと笑って火が当たっていなかった面を当てる為に魚を回転させる


「お前、毎日毒島とこういう飯食ってんのか?」

『そうですよ?』

「ふーん、アイツが作る飯って美味いのか?」

『すっごく美味しいですよ!!手際もいいです!!理鶯さんが作るカレーがすっごく好きなんですよ!タランチュラの丸揚げもボリュームがあって美味しいです!』

「………ん?タランチュラの丸揚げ?」


聞き間違いかと思ってオウムの様に繰り返したら『はいそうですよ?』と笑顔が返ってきた

え、タランチュラって毒蜘蛛だよな?あれ食えんの?


「腹壊さねぇの?」

『壊さないですよ?理鶯さん曰く外国では普通に食べられてるらしいですし』


『あ、そろそろ魚出来そうだな』と話を切り上げると、俺の元から離れていった

俺、コイツの食生活心配になってきたわ……。というか魚じゃなくてタランチュラ捕まえてたら、俺タランチュラ食わされてたのか……?

そう考えたら背筋が凍るような感覚に襲われる


俺がそうなってるなんてつゆ知らず、Aは鼻歌を歌いながらおにぎりを作っていた。さっきのガキっぽい歌を歌ってた奴とは思えないくらい綺麗なメロディを紡いでいて、背筋が凍る感覚を忘れて聞き惚れていた



「お前、歌好きなのか?」

『この前シュウ君に歌ったら褒めて下さって……だから自信がついたというか…』

「へぇ、確かに鼻歌だけでも上手いって分かるわ」

『そうですか?えへへ……ありがとうございます…』


手に塩をつけてご飯を握り、控えに笑うA。気分が良くなったのか、鼻歌のリズムに乗っておにぎりがコロコロ彼女の手で形作られていく



『おにぎりの具どうします?梅干しならありますけど……』

「いッ……!?いや梅干しは苦手だから塩だけでいい……」

『了解しました!!』

223話 焼き魚から変身できます!!→←221話 やはりご飯は誰かと食べたいです!



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刹那(プロフ) - 尊いさん» 尊いさん読んでくださりありがとうございます!!良かったと言って下さり凄く嬉しいです!次の章は全力制作中なのでもう暫くお待ちください!! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
尊い - めっちゃ良かったです!!続き楽しみに待ってます! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 8a111ea7de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月30日 12時

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