205話 ただ手伝ってただけじゃないんです!! ページ11
『ほぉ……焼き色がついてきてる』
トースターにパンを並べダイヤルを3に合わせると、機械の中が赤く光り始めた。実際に見るのは初めてで興味津々に見ていると、野菜を切っていた銃兎さんに「大袈裟ですね」と笑われてしまって、私の顔もトースターと同じ様に赤くなった
『だって初めてでしたから…』
「使い方は何処で学んだんです?」
『左馬刻さんが前に必要な知識だってレシピ本を買って下さったんですけど、その中に使い方が載ってたんです』
「ナイスだ左馬刻……」
何か小声で呟いたが意味がよく分からず首を傾げると「こっちの話です」と笑顔で誤魔化して、切った野菜をドレッシングと共にボウルに入れ和え始めた
「そう言えば料理はある程度出来るんですか?」
『そうですねぇ…理鶯さんの手伝いはしてるので簡単な作業くらいは……』
「切るとか焼くとかですか?」
『はい!まだ全部の工程を1人でやった事はないんですが、それくらいは出来るようになりました!』
「そうですか、ならまた今度Aの手料理食べさせてくださいね」
『食べてくれるんですか!!嬉しいです!ならもっと鹿を捌くの上手くならないと!』
『最近練習してるんですよ!』と意気揚々に話すと、銃兎さんは和える為に持っていたトングをコトン…と床に落とした。慌ててトングを拾い、水で洗って返そうとしたが何故か固まっている
『あの、銃兎さん?』
「ハッ…!?すみません、情報過多だったので固まってしまいました」
『情報、過多?』
「Aさん、確認なんですが貴女はどんな調理が出来るんですか?」
『えっとですね……。包丁で山菜が切ったり、魚捌いたり串に刺したり、時間がかかりますけど鹿とか猪とかの獣を捌いたり、あと虫を粉末する為にすり潰───』
「STOP STOP STOPもう結構です、ありがとうございます……」
まだまだ出来る事はあるのに、顔を青くし口元を押さえている銃兎さんに止められてしまった。心なしか吐き気を催してる気がする
「そのくらい出来たら立派なものですよ…」
『そうですかね…えへへ』
「ですが理鶯が教える料理は珍しい物ばかり。なので一般家庭の料理は左馬刻や私から学びましょう…ッ!」
両肩をガッシリ掴み訴える様に顔を近づけ真っ直ぐ私の目を見た
怖いくらい圧が凄いけど大事な知識っぽいし教えて貰おう!!
『お願いします!』と答えるとパァッと銃兎さんの周りに花が咲き「ではまずこれを作りましょう」とフライパンを持ち出した
206話 それでも助けてくれましたから→←204話 やっぱり意地悪です……
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刹那(プロフ) - 尊いさん» 尊いさん読んでくださりありがとうございます!!良かったと言って下さり凄く嬉しいです!次の章は全力制作中なのでもう暫くお待ちください!! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
尊い - めっちゃ良かったです!!続き楽しみに待ってます! (2021年4月25日 22時) (レス) id: 8a111ea7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月30日 12時