171話 優しさに溺れそうです。 ページ26
数分が経つと、テントから出てきた理鶯さんは「すまない、待たせたな」と言いながらテーブルに人数分の珈琲を置いた
ありがとうございます、と軽く頭を下げて珈琲を啜る
珈琲の優しい酸味と苦さが身に染みるのと同時に、理鶯さん達の優しさが心に染みる感覚がした。何故ここまで優しく……嘘ついたのに……
――それ程貴女が大切なんですよ
頭の中で銃兎さんの言葉が木霊する
――嬉しかった。必要とされなかった私にそう言ってくれる事が。オートマタとして機能しても結局殺戮者になるだけで色んな人から恨まれる筈だった
成功しても失敗しても私は必要ない……筈だった……
けれど理鶯さん達は私に優しくしてくれた。色々教えてくれた。守ってくれた。楽しい思い出をくれた。
それなのに私は嘘ついて……勝手に行動して……一郎さん達に正体を暴かれる可能性を作ってしまった……
「っ!?Aどうした!?」
理鶯さんの驚く声が聞こえた。銃兎さんも何事かと私の顔を見ると目を大きくさせた
私の顔に何かあるのかと思い、珈琲に写っている自分の顔を見ると目から大量の涙が溢れていた
理鶯さんは直ぐ様私の所に駆け寄ると、心配そうに頭を撫でた
「すまない珈琲が熱かっただろうか?」
『ちッ…違うんですッ…!私ッ……皆に迷惑しか掛けてないってッ……思って……ッ!』
説明しないと私は貴方を裏切ったんだって……優しさを踏みにじったんだって……
なのに震える口は言う事を聞いてくれず上手く話せない。それでも必死に言葉を繋げた
・
上手く伝わったか不安だけど全部正直に話した。すると理鶯さんは、怒る事もなく微笑みながらまた私の頭を撫でた
「そうか、イケブクロは楽しかったか?」
『えっ…?怒らないんですか……ッ?』
涙で視界が歪む目を擦り恐る恐る聞くと、理鶯さんはキョトンとした表情で首を傾げた
「何に対して怒るのだ?」
『だって……嘘ついた…』
「フッ…それは小官の事を思ってなのだろう?」
優しく温かく微笑みながら理鶯さんは言葉を続けた
「小官を混乱させない為…Buster Bros!!!と揉め事を起こさない為についた嘘なのだ、怒る必要はない
寧ろ小官が謝らなければならない。どうやら小官は心配し過ぎたようだ、すまない」
『な、なんで謝るんですか!?私、一郎さん達に正体バレるかもしれないんですよ!?皆さんの努力を無駄にしたんですよ!?』
「安心しろ、それは小官が対処しよう」
対処…?一体何を……?
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刹那(プロフ) - 戦国娘さん» 戦国娘さん読んでいただきありがとうございます!題名に惹かれたなんて嬉しい言葉感激です!頑張って考えた甲斐があります!!次の章は全力制作中なので50話が溜まり次第更新します!! (2021年3月17日 8時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 題名に惹かれて全話読破しました!もう次の更新が楽しみすぎますo(><;)(;><)o次話の更新楽しみしてます(*^^*) (2021年3月17日 0時) (レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月2日 12時