167話 窮屈じゃないんです ページ22
――という経緯で今Aに尋問している訳だが……
俺が怖いのか口をパクパクさせて震えている……ふふっ、怯えた小動物の様で可愛らしいな…
｢では質問を変えましょう。――何故嘘をついたんですか？｣
質問を変えると今度は俯き顔を背けた
これもダメか……
なら少々心苦しいが彼女の同情心を煽るか……
まず大きな溜息をつくと彼女の肩がピクリと反応した
｢理鶯は嘘をついてるって理解した上で貴女を見送ったの分かってます？｣
『えっ…！？』
彼女は勢いよく顔を上げると、ここに来て初めて声を出した。やはり気づいてなかった様で目を見開かせている
｢まぁ貴女も単独行動をしたいという気持ちはあるでしょうけど、嘘をつかれ置き去りにされた人の気持ち考えなかったんですか？｣
『そ……れは……』
自責の念に駆られているのかまた俯き下唇を噛み震えていた
しまった……職業柄強く言いすぎたか…
彼女も博士に置き去りにされた様なものだからな……今更後悔しても遅いが
『り……理鶯さん…怒ってます？』
ゆっくり顔を上げると恐る恐る聞いてきた。その目は瞬きをすれば涙が流れそうな程、膜を張らせていた
｢怒ってはいませんよ。ただ貴女に何かあれば自分の責任だとは言っていましたね｣
『何で……嘘ついたのに…』
｢私は理鶯ではないので正確な答えを言えませんが、もし私であればこう答えますね
――それ程貴女が大切なんですよ｣
俺の言葉を聞いた瞬間、Aの目からはらはらと涙が流れた
あぁ…泣かせるつもりはなかったんだがな……
せめてもの謝罪を込め、彼女の左頬に俺の右手を添えなぞる様に親指で涙を拭う
｢すみません…泣かせる程問い詰めるつもりはなかったんですが……｣
青の瞳は何も言わず、じっと此方を見ていた
それは謝罪の言葉を考えているのか、何故大切なのかを考えているのか……
｢Aさん。恥ずかしい話、我々は大切な人との接し方が分からないんです。
大切だから貴女の意思を尊重したい……ですが失いたくないからこそ傍に置きたい……この気持ちはきっと貴女を苦しめているんでしょう……｣
『そ、そんな事は無いです！』
Aは添えていた俺の手をギュッと握って訴えてきた。その目からはまだ涙が流れているが何処か力強さを感じた
『何も窮屈じゃないです！寧ろ…う、嬉しい……です…』
恥ずかしさからなのか彼女は顔を紅潮させ視線を落とす。そして急激に体温が上がっていくのが手袋越しでも感じた
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刹那(プロフ) - 戦国娘さん» 戦国娘さん読んでいただきありがとうございます！題名に惹かれたなんて嬉しい言葉感激です！頑張って考えた甲斐があります！！次の章は全力制作中なので50話が溜まり次第更新します！！ (2021年3月17日 8時) (
レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 題名に惹かれて全話読破しました！もう次の更新が楽しみすぎますo(><;)(;><)o次話の更新楽しみしてます(*^^*) (2021年3月17日 0時) (レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2021年3月2日 12時
