147話 夢 ページ2
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「どうだA?ここだと横浜の町が一望出来るだろ?」
『すっごくたかい!』
「ほらAちゃん、彼処にセンパイが住んでた池袋が見えるよ」
「馬鹿言え見える訳ねぇわッ!」
『いけぶくろ?』
「あー、俺がここに来るまで住んでた所だよ」
「向こうに住んでる親御さんに言わないとな!子供出来ましたって!」
「ふざけんじゃねぇ!俺の子供じゃねぇわ!!」
「でも我が子の様に溺愛してるじゃないすか!」
「だって可愛いじゃねぇか!」
「はいはい分かりましたよぉ」
『ぱぱぁー』
「くぅ……だから俺はお前の親じゃねぇッ……」
「プッ、何で胸抑えてんすか」
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チュンチュン!
何処からともなく聞こえた鳥達の鳴き声でゆっくりと瞼が上げられる。今のは夢だった様だ……。でも妙にリアリティがあり懐かしさも感じた
だけど外に出た記憶もないし、ましてやハカセ以外の人とあんなに仲良く笑ってた事も無い
何だったんだろう……?
上半身を起こし背伸びをする
隣を見ると理鶯さんの姿がなくトントンと規則正しい包丁の音が聞こえたので、朝食の準備をしている様だ
外の眩しさに目を細めながらテントから出ると、山菜を切っている理鶯さんが目に入った。おはようございます、と挨拶すれば此方に振り返り挨拶を返してくれた
『ごめんなさい。寝ている間に準備してくれてたんですね……』
「謝る必要は無い。随分と幸せそうな顔をしていたので起こす事を忍びなく思い、そっとしておいたのだ」
『そうなんですか?』
「あぁ。いい夢を見ていたのだろう」
目を擦りながら理鶯さんの隣に立つと、頭を優しく撫でられおでこにキスされた
このおはようのキスは恒例なってしまっているが、未だに慣れず顔が熱くなる。恥ずかしさで顔を手で隠すと「照れ屋さんだな」とクツクツ笑いながら切った山菜を沸騰したお湯の中に入れた
「よし、もうじき完成するから座っていてくれ」
『っ……分かりました』
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朝食の準備が整えば、青空の下で優雅に食事を始める。
そして話題は夢の話に――
「ところで、今日はどんな夢を見たのだ?」
『えっと……山なのかな?凄く高い所からヨコハマをハカセ達と見渡す夢でした』
珈琲を啜った理鶯さんは微笑みながら私に尋ねてきたので、食べていた料理を飲み込んだ後、内容を思い出しながら言葉にした
すると、微笑んでいた理鶯さんの片眉はピクリと反応し、「ハカセ……達?」と呟いた
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刹那(プロフ) - 戦国娘さん» 戦国娘さん読んでいただきありがとうございます!題名に惹かれたなんて嬉しい言葉感激です!頑張って考えた甲斐があります!!次の章は全力制作中なので50話が溜まり次第更新します!! (2021年3月17日 8時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 題名に惹かれて全話読破しました!もう次の更新が楽しみすぎますo(><;)(;><)o次話の更新楽しみしてます(*^^*) (2021年3月17日 0時) (レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月2日 12時