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175話 この身を犠牲にしても守りたい ページ30

山道を降りる廉貞はあの日の事を思い出した


――それは施設を見つけた日、左馬刻との電話のやり取りだ


普段であればいつもの様にシノギを任せるだけだったが、ついでに怪しい施設を見つけたら報告する様に言われていた
ヤクの取り引きでも行われるのかと思った舎弟達は、恩人である左馬刻の為必死に探した
廉貞も例外ではない


そしてついに廉貞は見つけ左馬刻に急いで報告した


「カシラ!例の建物見つけました!」

《本当か!?》

「はい!」

《なら場所を教えろ!俺様が行く!》


電話越しに慌しく音がした。恐らくここに向かう準備をしているのだろう。だが廉貞はそれを止める様にハッキリ言った


「場所は教えられません」

《はぁ!?何寝ぼけた事言ってやがる!》

「カシラはそこで私に指示してください」


廉貞は施設の場所を言わなかったのだ
理由はあまりにもその施設が異様な雰囲気を纏っており、ヤクの取り引きがここで行われるなんて到底思えなかったからだ
なのに舎弟達に頼み、左馬刻本人も探し回っていた
この時期、仲間の銃兎と理鶯に会う事が無かった為2人には気付かれなかったが、左馬刻はろくに休息を取らず何かを探し回っていた。なので白い肌にくっきりと隈が出来るくらい疲弊していたのだ


――これは彼の身を案じての行動だった


《テメェの役目は終わってんだよ!さっさと教えやがれッ!!》


左馬刻の怒号が響く。それでも億さず廉貞は淡々と語る


「カシラ…この施設は何かがおかしい、それ程異様です。今のカシラの状態では危険なので、私が安全を確認するまでそこにいて下さい」

《あぁ゛!?俺様を舐めてんのか!?》

「この建物は争いがあったのかと思うくらいに崩壊しており、至る所に血痕があるんです。もしカシラの身に何かあれば……」

《まさかテメェ…入りやがったのか?》

「カシラの命令を無視した事は謝ります。ですが私の身を犠牲にしても貴方を守りたいんです!恩人である貴方を!貴方がいたからこそこんな私でも極道をやれて、妹を不自由なく学校に通えてるんです!!」


必死に思いを伝えた。この先自身に危険が迫る事は大いにありうる。それでも守りたかった。彼にとって左馬刻は妹と同じ位大切なのだ


「私は口外しませんし詮索もしません貴方に誓います。ですからカシラは指示をお願いします」


静かに聞いていた左馬刻は軽く舌打ちをするとその施設に何があるかを尋ねる。廉貞は分かってくれたのかと安堵し状況を報告を始めた

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刹那(プロフ) - 戦国娘さん» 戦国娘さん読んでいただきありがとうございます!題名に惹かれたなんて嬉しい言葉感激です!頑張って考えた甲斐があります!!次の章は全力制作中なので50話が溜まり次第更新します!! (2021年3月17日 8時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 題名に惹かれて全話読破しました!もう次の更新が楽しみすぎますo(><;)(;><)o次話の更新楽しみしてます(*^^*) (2021年3月17日 0時) (レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月2日 12時

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