156話 察して欲しいです…… ページ11
突然声を出したので山田さん達は目が点になりながら私を見る。シュウ君は「どうしたの?」と心配そうに首をコテンと傾けた
『あ、いや……シュウ君が目がかっこいいってそういう事かって……』
苦しいが嘘ではないからバレないはず……
「シュウはそんな事言ってたんスか?」
『はい…おにぃちゃんの特徴はと聞いたらそう答えて』
ね?とシュウ君に振ると「うん!カッコイイ!」と力強く頷いた
山田一郎さんと山田二郎さんは照れ臭そうに笑っているが、山田三郎さんは私の行動が怪しく思った様で睨んでいた
『じゃ、じゃあ無事見つかった事ですし私はこれで……』
この場に居続けると不味いし早くハカセ探しを再開しないといけないので『じゃあねシュウ君』と言って背を向けると、山田一郎さんに「待ってください!」と右手を掴まれた
「何かお礼させて下さい!」
『い、いや……別にお気になさらず……』
「俺は貰った恩は絶対返す主義なんで」
逃がさんと言わんばかりに掴む力を強め、赤と緑の目が真っ直ぐ私を見据える。私がMTCと関わりがあるって知らないから仕方が無いんだろうけど、私はここを離れたいんだッ!!
「おねぇちゃん人探ししてるって言ってた!!」
「ホントかシュウ!?」
なんで言っちゃうかなぁぁぁあ!!?
いやシュウ君は善意で言ってくれたんだ…ッ、責めちゃダメだ……ッ
『そ、そんな、山田さんにお願いする程では……』
「遠慮しないで下さい!それと俺ら兄弟なんで下の名前で呼んで下さい!」
腕を掴んでいた一郎さんは、いつの間にか両手で私の手を包んでいた
ってか一郎さんの笑顔が眩しいな……
『い…一郎、さん……?』
ダメだっ……必要ないって続けて言いたかったけど緊張してしまった……。恥ずかしさで顔を背け、動ける左手だけで顔を隠す
「っ、なんすか?」
『あ、ごめんなさい……。下の名前で呼ぶ事に慣れてなくて……』
「そうだったんすね」
『それよりも私、一人で探したくて…』
「はぁ……。黙ってて聞いてたら……一兄がこんなに頼んでるのに何が不満なんだよ!」
話が進まない事にイラついた三郎さんが、顔を歪ませ怒鳴ってきた。突然の叱咤に驚いたシュウ君は、ビクッと肩を跳ねさせ一郎さんの足に隠れた
「おい三郎!シュウがビビってるだろ!」
「すみません…けどこれじゃあ埒が明かないですよ!」
「そうだよ兄ちゃん!アンタも何でそんなに断ってんだよ?」
157話 結局押しに負けるんです……→←155話 外の世界は広いようで狭いです
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刹那(プロフ) - 戦国娘さん» 戦国娘さん読んでいただきありがとうございます!題名に惹かれたなんて嬉しい言葉感激です!頑張って考えた甲斐があります!!次の章は全力制作中なので50話が溜まり次第更新します!! (2021年3月17日 8時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 題名に惹かれて全話読破しました!もう次の更新が楽しみすぎますo(><;)(;><)o次話の更新楽しみしてます(*^^*) (2021年3月17日 0時) (レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2021年3月2日 12時