検索窓
今日:45 hit、昨日:72 hit、合計:8,305 hit

1173話 いつもこうだろうが ページ43

「そこまでだ下郎共!!!」


リリックが飛び出すよりも早く、マイクを通さずとも圧制させる声が4人を止めさせた。
そして声だけではなく、突然使用者の意志に関係なくスピーカーは消えてマイクは元に戻ってしまう

ゆっくりと中王区の入り口が開かれる。開いた先から何人ものの言の葉党党員が駆けて彼等を囲い、マイクを構えた。遅れてゆっくりとヒールを鳴らして近づいてくるのは、内閣総理大臣補佐官及び警視庁警視総監行政監察局局長───勘解由小路無花果。

彼女はギロリと睨むと男達へ怒りの言葉を吐く


「貴様ら……ここが何処だか分かっての行動か?我々の判断で貴様らの強制的に棄権させる事だって可能なのだぞ」

「うげぇ……怖いオネーサン」

「さっさと入れ下郎共。我々は貴様らに時間なぞ使ってられん」


あからさまに嫌悪感を出す乱数なんて眼中に無い様で、彼女は背を向けて中王区内へ入っていく。


「ヒプノシスキャンセラー……か」


従うしかない彼等、大人しく着いて行き門を潜って行った









チーム毎に用意されたホテルは違うらしく、党員の案内されるがままに左馬刻達も高級ホテルの一室へ入る。
煌びやかな照明、見るだけでわかる柔らかい大きなベット、充実したアメニティ、悪くは無いが中王区が関わっている時点でいい気分ではない。
党員が部屋を出ていった後、左馬刻はどっかりとソファに座って煙草を吸い始めた

そんな彼に銃兎は少しイラついている様子


「おい左馬刻、最初から暴れ過ぎだ。目をつけられてんじゃねぇか」

「るせぇ、俺らはいつも(・・・)こうだろうが」

「しかしマイクを使うのは小官もやり過ぎだと感じた」

「ハッ、やり過ぎだと?それくらいに俺様はアイツが憎いんだよ」


ふぅ……と紫煙を吐くリーダーに渋い顔をする銃兎と理鶯。
それは左馬刻の一郎嫌いに倦厭している訳では無い。彼の“加減の知らない芝居”に呆れているのだ


数日前、銃兎と理鶯は左馬刻を呼び出し、一郎と和解出来た事を報告した。勿論2人は安堵だったり喜びだったりを表情にしていたが、次に告げられた事に曇らせる

───恐らく中王区が犬猿の仲になる様に仕向けたから、暫くは犬猿の仲を演じ続ける

言いたい事が山程増えてしまったが、真剣な目と静かな圧に何も言えなかった

その時は言えなかった。がしかし、こんなに騒ぎになる程暴れられても困るのは自分達。いつ聞かれてるか分からないので、濁せながらでも文句を言いたかったのだ

1174話 約束、守れないかなぁ……→←1172話 偽善者のドグソ野郎



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
45人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:刹那 | 作成日時:2024年3月4日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。