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1135話 過去をなぞる ページ5

「────し〜ごとな〜んてぇ〜!ク〜ソ〜だぁ〜♪マジクソ上司ィ〜♪閻魔に舌のみならず毛まで抜かれろ fu〇k you!!」

「Hey!!!」

『な、中々に過激で独歩さんらしい曲……』


茶色の落ち着いた雰囲気の個室。しかし天井にはミラーボールが光り輝きながら回り、独歩の私怨にも似た曲が響いているので、何ともシュールな空間が出来上がっている

Aが口にした場所はカラオケ。隔離された場所で過ごした彼女にとって基本的に曲は知らない。なのに行きたいと言ったので、最初は戸惑いつつ、歌い始めれば段々と楽しくなってきていつも通りの選曲になっていたという訳だ

独歩はステージに立ち、2人は壁に沿ってUの字に置かれたソファに座る
物騒な言葉と合いの手を最後に、歌は終了。ジャケットを脱いでいた一二三が、マラカスを鳴らしながらソファに戻る独歩に言葉を掛ける


「さっすが独歩ちん〜、最後はいつも感情が詰まりまくってますな〜」

「ストレス発散といえばこれだからな。ごめんねAさん、刺激強過ぎたかな?」

『いえ!楽しそうでなによりです!世の中には色んな曲がありますね!』

「じゃあ次は俺っちだけど、Aちゃんは本当にいいの?聞いてるだけじゃつまらなくない?」

『大丈夫です!聞いてるだけでも楽しいですし、曲を知るのもいい勉強かと!』


ドリンクバーで取ってきたサイダーを飲みながらAは笑顔を浮かべる。気を遣ったモノではないその笑顔に、安堵を得た一二三は、端末を手にしてピピッと音を鳴らしながら曲を予約した

掴んだマイクを口に近づけ笑みを乗せた口を開かせる


「イェーイ!!2人とも楽しんでるー?」

「いぇーい」
『っいぇーい…!!』

「この曲合いの手チョー楽しいからぁー、ちゃんどぽAちゃんにちゃんとタイミング教えてよねー!」

「任せとけ」


一二三に代わりマラカスを1個ずつ持ったAと独歩。聞き馴染みのある曲に独歩はキリッとした表情で応え、Aは楽しむぞと意気込んだ









──────何故Aがカラオケを選んだのか。
理由は簡単。過去に似た様な事をしていたからだ


必死に独歩が行う合いの手に食らいつくA。彼女の頭の中には懐かしい記憶が蘇っていた



“空を駆ける純白の翼ぁ〜♪どんな敵も追いつけなぁい〜♪”

“センパイいつの曲歌ってんすか……。俺そのアニメやってる時産まれてないっすよ……”

“ハッハッハッ、懐かしいなぁ。昔俺も見てたわソレ”

“ぱぱ楽しそう”

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作者名:刹那 | 作成日時:2024年3月4日 0時

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