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1170話 皆さん行ってらっしゃいです! ページ40

「───では我々は中王区へ行ってきます。Aさんは留守番、頼みますね」

『はい!任せて下さい!!』

「いいかA、DRBが終わり帰ってくるまでの間外出は控えろ。万が一外出が必要な場合、必ず小官達の中の誰かに連絡をしろ」

『了解です!!』


───銃兎の自宅。
中王区に向かう予定だった3人は、先ずAをラビ君と共に安全圏である銃兎の自宅へと連れてきた。
横暴な中王区の召集命令で時間も残されていない3人なので、上がらずに玄関で彼女と別れなければならない。名残惜しさを感じつつ、危険が及ばない為に念を押して彼女に言い聞かせた


「ったく…決勝は明日だろうが……。何で前日から向こうで泊まりなンだよ」

「仕方無いだろ左馬刻、中王区にとって俺らは客を集める商品。管理の意味も含めて前日から集めるのは不思議な事じゃない」

「チッ……気に食わねぇ」

『あ、も、もし可能であればスケジュールとか後で送って頂けると助かります!左馬刻さん達もそうですけど、寂雷さん達と連絡が取れる時間を把握したいので…!!』

「あ?ンなモン───チッ、俺らがバトルの時はセンセーとかに連絡が出来る方が良いか…」

「そうだな、いつ敵に攻められるか分からない状況だ。了解した。詳しいスケジュールが確認出来次第データを送ろう」

『よろしくお願いします!!』


ビシッと敬礼を見せるAは、そわそわと落ち着かない様子。それもその筈、これから近しい人は全員中王区に行って暫く帰って来ないのだ。火貂組という力強過ぎるバックがいるにしても、博士の脅威が近付いている状況の中独りになる。
Aの認識では、博士では無く白衣の男達というズレはあるが、狙われているのは事実。何事も無く終われるのか、それとも奇襲されるか二つに一つ

その緊張を感じ取った3人は微笑み、優しい音色で語り掛ける


「では行ってくる。名残惜しいが、少しの辛抱だ。いい子で待っていろ」

「帰ってきたらAさんのフルコース楽しみにしてますね」

「最強なのは俺らだって全国に見せつけてやんよ」

『はい!!お気を付けてです!!』


Aは緊張はあれど笑顔だ。しかしその先の言葉を待っていた左馬刻の銃兎の表情は曇る。その横で理鶯は寂しそうに目を伏せ、己を律してから左馬刻と銃兎の腕を引っ張り半強制的に部屋を出ていった


「おい引っ張ん──」


パタン、反射的に出た左馬刻の言葉は扉によって絶たれた

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作者名:刹那 | 作成日時:2024年3月4日 0時

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