1150話 まさかの憧れ ページ20
「───あああああの…っ!!こんな冴えないオッサンが隣でいいんでしょうか…!?臭わない!?陰湿なオーラ憑かない!?」
「独歩君……まだ君は私より若いんだから大丈夫だよ。それに誰かと寝ると不眠が改善されると思いますよ」
「そーそー!中々ないAちゃん含めたお泊まり会なんだからぁ、Aちゃんを堪能しちゃおーぜ!独歩ちん!」
「言い方考えろよ一二三!!」
『えへへっ、皆の温度が近くに感じられて安心しますねっ』
「Aさんもぉ〜!!」
リビングで仲良く横並びで寝る彼等。彼等から見て右から寂雷、独歩、A、一二三という並びで天井を仰ぎ、学生の修学旅行の様な盛り上がりを見せている
子供を見守るように微笑ましく聞いている寂雷、女性と並んで寝る経験が無く心臓が痛い独歩、皆と寝れて幸せなA、Aと一緒に寝れてテンションアゲー!な一二三
それぞれ違う感情な為皆表情も違うが、楽しい事なのは一緒。ツッコミで疲れてきた独歩なんて気にせず、話題は変わっていく
「ねーねーAちゃんさー、あのおっかないSP達説得して俺らん家に泊まる日も作ってよー」
「それ難しいと思うぞ一二三。そもそもあの3人で取り合ってるのに……」
『どうですかね……』
「Aさんはどうしたいですか?」
『うーん…』
皆天井を見ている為、視線は交わらない。そんな中でAの唸る声がリビングの静寂を斬る。
悩む事があるのか、もしや家に泊まりたくないのか、3人が怖いのか。一致しない予想を3人が抱き天井を見たまま答えを待つと、予想外の言葉が出てきた
『その……“一人暮らし”に憧れがありまして……』
───正に雷の衝撃。
今までそんな素振りすらなかった筈なのに。一二三と独歩は口を、寂雷は目を限界まで大きく開かせ言葉にならない声を上げていた
「なななな何で!?何で何で何で!?」
『だって私、もう大人と分類される歳なんです。こうやって誰かの住処にお邪魔し続けるなんて……』
「邪魔じゃない!おお俺養えるから!」
「独歩君落ち着いて、説得のようで説得じゃないですよ…!!──そのAさん、君は所謂独り立ちをしたいんだね?暮らしを立てて、私達のような状態にしたいと」
『そうです!きっと私の経験じゃ仕事が出来ないですから、理鶯さんのように自給自足が出来たら良いんですけど……』
「Aちゃんならホステスいけそうだけどなー」
「こら一二三君、軽率にそんな発言してはいけません…!」
1151話 パーティから宥める会→←1149話 そこじゃねー!!
45人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹那 | 作成日時:2024年3月4日 0時