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1149話 そこじゃねー!! ページ19

寂雷の決意に満ちた目と気持ちが込められた声に、Aはふと幻太郎の言葉を思い出した

自分は彼等の橋になり得る存在だと

本当にそうだったのか、胸がぽかぽかして嬉しさで目が潤んでしまう。何とか堪え、笑顔で応えた


『ありがとうございます…っ!』


Aの笑顔に寂雷は面食らい、目を丸くさせた。そして困ったように眉毛を下げて口を開かせる


「少しは怒ると思っていたんですが……」

『え、怒る?何でですか?』


今度はAが面食らう。
視線を独歩と一二三に向ければ、怒る理由が分かっている2人も眉を八の字にさせていた。成程、理解出来ていないのは自分だけ。再び寂雷と向き合うと、優しく頭を撫でられた


「本来自分に関する事を裏で話したり行動されたりすると、人は恥ずかしがったり嫌がったりするモノなんですよ?」

『そう、なんですか……?でも私自身は謎な事が多いですし、何かして下さる時点で嬉しいです!』

「Aさん……」

「写真を送られるのは嫌なのに、そこは何にも感じないんだ……」

「指摘したいけど、純粋な笑顔過ぎてなんも言えねー」

『はっ、そう考えると私何もしてないですね…!?申し訳ないです……!!』

「そこじゃねー!!」


彼女に関して、まだまだ教育しなければならない所がある。寂雷はそう険しい表情で溜息を吐いた
その溜息を理解出来なかったAは、首を傾げているのだった












────Aから一二三、独歩とお風呂に入り、寂雷が上がった頃には、リビングで4人が横並びで寝れそうな敷布団が敷かれていた


「あっ、センセー!ちょっち待ってて下さいねー!あと少しで準備終わるんでー!」


そう笑顔で声を掛けた一二三の手には掛け布団を掴んでいる。一二三の声に反応して振り返ったAの両手には枕、独歩も残りの2個の枕を持っていた

どうやら寝る準備をしているらしい


「おや、すみません。私が入っている間に」

「いえいえ!急にお誘いをしたのは私達ですから……!」

「そーそー!ってか、Aちゃんも手伝わなくて大丈夫って言ってるのにー」

『だって楽しそうで参加したかったんですもん!なんかこう……ドキドキしません!?』

「んぐっ、」

「わぁ……それ絶対に他の男に言っちゃダメだかんね?」

『え、何でです?』

「ふふふ、楽しそうだねAさん」


きっとどこぞの若頭なら耐えられず押し倒してるだろう。そう麻天狼の3人はそれぞれの感情のままに表情を浮かべた

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作者名:刹那 | 作成日時:2024年3月4日 0時

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