1079話 覚悟は出来ているが。 ページ49
───色々あったが、電話の後に独歩からの連絡が来たMTC。それは聞いていた通りパーティーの誘い。二つ返事で受け入れ、これから向かうと言えば、ご丁寧な“宜しくお願いします”という社畜の洗礼された言葉が返ってくる
といっても、あの電話が聞こえていたので、印象は悪いのだが。
「じゃあセンセー、俺らはタイミングをズラして行くからよ、アイツらに伝えてくれ」
「了解したよ。また後でね」
・
一旦のお別れをした3人は銃兎の車に乗りこみ、話と感情を整理した。運転席と助手席に座った銃兎と左馬刻は煙草を吸い、後部座席の理鶯は腕を組み静かに虚空を見つめる
まだ太陽は空にあり視覚的には明るいが、この閉鎖空間は暗い世界。いくら自分に言い聞かせようとも、やはり違って欲しいと願望を抱いてしまう
「あんな危なっかしいヤツだぞ……」
何が都合のいい性格だ。過去を振り返っても自分達の気持ちを放っておいて危険な事に乗り込むじゃないか。抑えられなかった感情が零れるように、左馬刻の静かな声が切なく響く
それに続いたのは銃兎
「1人で危険な事をするなって……。言い聞かせてもする彼女なのに……それも誰かにとって都合のいい行動だったのか…?」
彼女は1人だ。それに対し、彼女を囲う存在は多過ぎる。多過ぎる都合のいい願望があればどれかを優先し、どれかは叶えられない。その時点で彼女の作られた感情、行動は破綻してしまう。そもそもが無理な話。なのに埋め込まれた彼女は拒絶すら出来ず、それが自分のやりたい事だと認識し、危険な行為をする
「小官は……どんな彼女であったとしても、受け入れる……」
────それが、あの日性別も体格も何もかも違う自身に“生きたいと願う拳”を向けた彼女に対する覚悟。
例え人間に憎悪を抱いて自身に刃を向けたとしても
───〜〜♪
この場にそぐわない通知音が複数回鳴った。
それは3人のスマホからだった。どうやらこの前の旅行で作られたグループチャットに、メッセージが送られてきたらしい
一二三折角のパーティーだし、皆の好物教えてー!
一二三あと、マットリ3人の誰かでも良いからクラッカー買ってきてー!
独歩本当にすみません!!俺達今料理から手が離せないんです!!要らないだろうとは言ったんですが、コイツ人の話聞かなくて!!
「はっ、呑気な奴らだな……」
「楽しそうでなによりです」
「きっとAも楽しんでいるだろう」
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刹那さんの小説ファン - 章公開おめでとうございます!これからもまったりマットリを堪能させていただきます! (1月8日 17時) (レス) @page50 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» ありがとうございますm(*_ _)m 今回の更新で50話分溜まりましたので、次の章公開まで暫くお待ち下さいっ! (1月8日 11時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - 何度もすみません!最新の小説、更新された瞬間に見ることができました!これからも頑張ってください! (1月7日 20時) (レス) @page49 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 刹那さんの小説ファンさん» 発狂して家宝にするレベルですか!?(笑) そう反応して下さる人は初めてで嬉しいですっ(*¯꒳¯*) (1月6日 22時) (レス) id: 474b3cc025 (このIDを非表示/違反報告)
刹那さんの小説ファン - お返事ありがとうございます!嬉しすぎてベッド叩きながら発狂してしまいました。スクショしまくって家宝にしますうううううう! (1月6日 18時) (レス) @page47 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2023年11月29日 10時